「男性の育休取得は100%、でもたった5日だけ…」家事と育児は結局、妻の役目? 家でぶらぶら「取るだけ育休」対策考える企業も
性別役割分担意識の見直しが必要だとの考えは、東京海上にも共通する。 「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)を解消し、性別を問わず能力に応じた役割分担がなされる社会の実現には、特に学校教育を通じた若年層への意識醸成が必要と考えており、国や行政による取り組みの推進に期待したい」(担当者) ▽男性の育児意識が高まるJR東日本 JR東日本の担当者は、女性の育休期間の長さに問題意識を抱いている。 「休職期間が長くなると、休職している社員が育児と家事を担うのだと家庭内で分担が固定されてしまう恐れがあり、その結果、復職後も女性が1人で育児と仕事の両方を担うこととなって、新しい仕事や管理職に挑戦するといった考えが湧きづらくなる」 JR東日本の男性育休期間は「3カ月~6カ月未満」。ほかの企業に比べれば長い方だ。 「配偶者の出産日前後に3日間の有給休暇が取得できる独自の制度を設けており、合わせて多くの職場にダイバーシティ(多様性)を推進する委員会があって、自主的に勉強会を開催している。男性社員が育児に参画する意識が近年相当高まり、取り組みが実を結びつつあると考えている」
育休を取った人には会社のタブレット端末を配布し、Microsoft Teams(マイクロソフトチームズ)などのツールを活用して、育休中も先輩や後輩の社員と関わりを持てるよう配慮している。 ▽日本航空は「ラク家事」セミナー開催 日本航空は、男性が「取るだけ育休」にならない取り組みを進めている。効率的な家事のノウハウを学べるセミナーの開催だ。担当者は「男性の家事参画意識向上を目的としたセミナーだ」と説明している。 社外から講師を招き、「家族でシェアするラク家事」をテーマにして、容易に入手できる市販製品を使った効率的で簡単な家事のイロハも伝授している。経験の少ない男性でも家事に参加しやすくなるよう配慮した。担当者は力説する。「大切なのは、パートナー同士で『シェアをする』ことであり、育児も家事もどちらか1人ではなく、2人でシェアをすることで家族の絆を豊かにする、そんな育休期間にしてほしいと考えた」