「男性の育休取得は100%、でもたった5日だけ…」家事と育児は結局、妻の役目? 家でぶらぶら「取るだけ育休」対策考える企業も
男性の育休経験者による座談会も継続的に行っている。「収入はどうなるのか」「育休前後の注意点は何か」「上司にどう相談したか」「周囲の反応は」「家族との関係は」―。こうしたさまざまな疑問に対し、経験者が本音で答えている。 ▽男性の育休、2カ月は必要 男女の育休取得期間の違いを含めた、企業のジェンダー平等に向けた課題について大妻女子大学准教授の田中俊之氏に尋ねた。 田中氏によると、1996年度の男性育休取得率は0・12%だった。直近では取得率は大きく伸びている。「取得期間は短いとは思うが、進歩してきていることは認めるべきだ。男性育休が浸透しつつあり、よい傾向が出てきている」 田中氏は、男性の育休は取得に向けた機運を醸成するところから確実に定着させる段階へと切り替わりつつあるとみる。「企業が男性育休取得率100%を目標にするのは、機運を高める時はよいだろう。定着の段階では、長期間取れる実績の方が評価に値する」
出産による女性の心身へのダメージを考慮すると、男性の育休は2カ月は必要だと指摘する。「男性の育休を広げるために、まずは育休中の所得の補償はすぐにやるべきだ。復帰した社員が出世できないなど、不利益を受けていないことも重要だと言える」