八丈島に移住した“女性プロ雀士”に聞くリアルな住み心地。物価は「東京本土のスーパーよりも全部高い」
移住する直前に当時友人の旦那から連絡が来た
――ちなみに、プロ雀士といえば旦那様のノリヒトさんもプロ雀士ですね。出会いのきっかけは? 松岡:最初に知り合ったのは10年ぐらい前で、同じ雀荘で働いていたんです。でも旦那は私よりも先にお店を辞めて、それからはずっと会っていませんでした。 ――再会されたのはいつ頃ですか? 松岡:八丈島に移住する2~3日前、10年ぶりにX(旧Twitter)のDMで連絡が来て、ちょうど時間があったので飲みに行ったんです。そこで私がもうすぐ八丈島に移住することを言ったら「俺も行くわ」みたいになって(笑)。 ――その段階では、まだご友人ですよね? 松岡:そうです。でも、4匹のペット(犬1匹、猫3匹)を連れて船に乗るのも大変だなと思っていたので、運ぶのを手伝ってもらおうと思って「船の運賃を払うから来て」と言いました(笑)。
八丈島に移住して7ヶ月で結婚
――ノリヒトさんも同時に移住されたのですか? 松岡:旦那は移住したわけではなく、私が移住した日にペットの持ち運びなどを手伝ってくれただけで、それ以降はたまに島に遊びに来ていました。そうこうしているうちに付き合うようになり、やがて「結婚するから島に移住して一緒に住む」って言い出して……。「結婚するかどうかはわからないけど、まあいいよ」と(笑)。八丈島に移住したのが一昨年(2022年)の7月で、結婚したのはその7ヶ月後ぐらいでした。 ――展開が早いですね。ちなみに、移住してからプロ雀士としての活動に変化はありましたか? 松岡:現在もプロ雀士として日本プロ麻雀連盟に在籍はしていますが、リーグ戦やタイトル戦などには出ていません。リーグ戦に出ると1週間ぐらい家を空けたりするのですが、犬や猫がいるので家を空けすぎるのもなと……。当初は島に移住後も続けるつもりではいたんですけどね。旦那は今も東京と八丈島を行き来して続けていますよ。
物価が高いので自給自足に注力
――松岡さんは現在どんなお仕事をされていますか? 松岡:週1~2日のアルバイトを4つ掛け持ちしています。八丈島でも有名な郷土料理のお店で掃除をしたり、別のご飯屋さんで働いたりしています。あとは、1月~2月の期間限定で「八丈フルーツレモン」っていう特産レモンの収穫・販売の短期アルバイトをしたり、「くさや」や「明日葉」の生産を手伝う短期アルバイトもしています。 ――お住まいは賃貸の古民家とのことですが、広いですか? 松岡:もともと1人で住む予定だったので、1人だったら広かっただろうなって(笑)。1階建てなのですが、リビングが12畳、寝室が6畳、そのほかにもう一つ部屋があり、キッチンもあります。それと、旦那がYouTubeでゲーム配信をしているのですが、家の中でやられるとうるさいので、庭に置いてある廃車の中でやってもらっています。あと、私も旦那もサウナが好きなので、テントサウナを買ってきて庭に設置しています。 ――食べ物を買うのはスーパーですか? 松岡:3店舗あるのですが、空輸輸送費なんかが乗っているからか東京本土のスーパーよりも全部高いです。それと、八丈島の漁師さんは獲れた魚を一度築地まで運ぶんです。八丈島では築地価格で販売されるので全然安くなくて……海に囲まれているので魚は安いと思っていたんですけどね。 ――自宅に広い畑がありますよね。野菜や果物は自給自足ですか? 松岡:畑では常時10~20種類の野菜を育てているので、あまり買うことはありません。果物は以前イチゴを育てていたことはありますが、それ以外は木で育つものが多いので…。持ち家でもないですし、4年後にみかんができると言われても「育ててもな~」みたいな感じですね。ただ、島では物々交換がすごく多くて、例えばスイカをたくさんくれた相手に野菜をあげたりしています。ちなみに、私の親も自宅のベランダや屋上で家庭菜園をやっているのですが、うちの畑があまりにも広いのでうらやましがっていましたね。