反抗期の接し方が難しい……4つのポイントと、長引くケースの原因を専門家に聞いた
反抗期に入る前の準備が肝心
佐藤先生:反抗期がオンになってから親ができることは、残念ながら限られています。それまでどう過ごしてきたかが影響しやすいので、思春期に入る前に準備しておくことが大切です。 ポイントは、親がすべてを決めない。しかし、子どもを完全に自由にさせてはいけない、ということ。そして、子どもが自分でできることを増やしておきましょう。自立しようとするのは思春期ですが、助走という意味で、小学校のころから自立の力を促しておくことをおすすめします。
反抗期が始まったときの保護者の対応 4つのポイント
佐藤先生:―いったん反抗し始めると、何か工夫したら収まる、ということはさほど期待できません。反抗されると親も怒りがこみ上げてきますが、その場では過剰に反応しない、これが一番の対処法です。中学生は、完全に親から離れているわけではありません。まだ親の助けが必要なシーンも多くあるので、反抗されたときに「勝手にしなさい」「出ていきなさい」といった突き放す言葉をかけたり態度を取ったりすると、子どもが助けを求めにくくなるので、気を付けたい点です。 他にもいくつか心がけておきたいポイントがあります。 【1.子どもがつくる距離に合わせる】 子どもがつくる距離を尊重し、親が距離を決めないことが大切です。子どもが話したがらないときには踏み込まず、タイミングを見計らって聞くといったことも、子どもの距離を大切にすることにつながります。たとえばケーキを食べていて機嫌のいいときにちょっと話してくることを大事に聞く、などです。 【2.自分の対応は子どもの自立につながったか、自問する】 そもそも「反抗期」という名前は、外から見た状態に対してつけたネーミングです。この時期の本来のテーマは精神的に自立することなので、自分の対応が子どもの自立を促しているかどうか自問することが重要です。 過管理・過干渉を避けることが大切とお伝えしましたが、「私の今のリアクションは、子どもの自立につながったかな?」という問いをして、都度確認していくことが大切です。