「ラブホおじさん」と言われた婚活男性のその後ーーフラれ続けてたどり着いた幸せな結末 #ザ・ノンフィクション #ydocs
女性の“本心”がどうにも分からない…「涙が出そう」
ある時は、バツイチのお見合い相手(46)が「16年間の結婚生活で元夫と外出したことは10回だけだった」と打ち明けると、内田さんは「私はそんな寂しい思いはさせません」と、元妻と行った旅行の思い出を意気揚々と語り出してしまう。 「宿が満室だったら、夫婦なら“ラブホ”に泊まってもいいですよね」 女性は、この言葉を聞いた瞬間に嫌悪感を抱いたそうだが、そこは大人の対応をとり、何とか楽しげな会話を続けた。 一方、女性の心情に気づかない内田さんは「上手くいった」と大喜び。初デートはどこに行こうかと悩んでは、幸せそうにしていた。その後すぐに「お断り」の連絡が来て、必要以上にショックを受けることになるのだが…。 ミスコミュニケーションと勘違いの繰り返し。悲しくも、それが内田さんの婚活ロードだった。 そんな内田さんを目にするたびに、植草さんは頭を抱えた。 「内田さんは素直で純粋で、本当にいい人なんです。でもそれが女性には1ミリも伝わらない。相当な人生経験を積んだ女性じゃないと難しいかもしれません」 その後も内田さんは失敗を繰り返す。 40代の会社経営者と「真剣交際」に進んだ際には、彼女が内田さんの自宅を見に来ただけで「結婚が決まった」と思い込んでしまった。両家への挨拶も、正式なプロポーズもしないまま「マリーミー」に成婚料を振り込み、勝手に「成婚退会」しようとしたのだ。 ところが女性には成婚の意思はまだなく、生活費などの条件も折り合わないことが判明。「マリーミー」始まって以来の騒動に発展した挙句、破談になってしまった。 「もう分かんなくなってきちゃったよ。涙が出そう…」 植草さんに叱られ深夜のファストフード店で嘆いていた内田さんは、成婚シーンを撮影しようと目論んでいた私を気遣い、「上手くいかなくて、ごめんね」と謝ってくれた。 私は内田さんのこの優しさは、他の全ての欠点を補って余りあるものだと思ったが、婚活という短期決戦において、彼の内面まで見通せる女性はなかなか現れないだろうとも感じていた。