車が致命的な罠に早変わり 車社会のスペイン洪水被災地
バレンシア、スペイン、11月8日 (AP) ― 致命的な鉄砲水の余波を受け、洪水の水が引いたスペイン東部バレンシア南部の地区では、サッカー場が廃品置き場と化している。 この取り組みは、清掃作業が続く中、積み上げられたままの数千台もの車の残骸から道路を解放することを目的としている。 津波のような泥水が突然押し寄せたバレンシアの住民にとって、車が致命的な罠となった。 スペインの保険コンソーシアムは、洪水のような極度のリスクに対して保険金を支払う官民組織であるが、11月5日に洪水被害に対する住宅保険の請求が2万1000件、事業用物件の請求が1万2000件、自動車の請求が4万4000件寄せられたと発表した。 この数字は今後増加する見込みだという。 スペイン全土からバレンシアに集結したレッカー車は、ほとんどの残骸を撤去したが、7日の午後になっても多くの車が川岸やショッピングモールの駐車場、田園地帯に積み上げられたままだった。 この歴史的な洪水で219人が死亡、そのうち211人がバレンシア地方で死亡したという。 また、隣接するカスティーリャ・ラ・マンチャでも7人、アンダルシア南部でも1人が死亡した。 公式には93人が行方不明と発表されているが、当局は実際の数はもっと多い可能性を認めている。 さらに54人の遺体が身元不明のままだという。 (日本語翻訳・編集 アフロ)