米国、パラオ、フランス、インド “海外に住んでいる日本人”に聞いてみた「世界のリアルな住み心地」10月編
「EXPAT by COURRiER Japon 海外で暮らしてみたら」は、世界各地に暮らす日本人がリアルな情報を発信するプラットフォームです。10月に掲載された投稿のなかから、注目の記事4本をご紹介します。 【画像】シャネルのツイードも手がけている「ルサージュ」で、特殊な織り機を使った生地作りの実演
米国の大学入試
日本の一般大学入試は冬が本番ですが、米国では多くの大学が願書の提出日を11月1日に設定しているため、高校4年生は夏休み以降、超多忙な時期を過ごすそうです。そんな米国の大学入試事情について、シカゴに住む河合良子さんが書いています。 河合さんは、日本と米国の大学進学における最大の違いを「米国では試験での一発逆転合格は存在しない」ことだと指摘します。 「米国の高校生が大学に提出する書類には、高校1~4年生までの成績が記載されます。多くの大学で、英語と数学については4年間、理科3年間、社会3年間、外国語2~3年間(アイビーリーグの多くは4年間)の成績提出が求められます。もちろん希望する学部によって多少異なりますが、文系学部希望だからといって理数科目を捨てることはできません」 さらに、SAT(全国学力テスト)のスコアと論文の提出だけでなく、部活動、生徒会、ファンドレイジングの企画や地域貢献への取り組みも必須なのだとか。では、名門大学に合格する強者は、どんな要素を兼ね備えているのでしょうか。河合さんはこう説明しています。 「ちなみにアイビーリーグに合格するのはSATの得点はほぼ満点(算数と英語で各800点満点)、スポーツ、音楽、ディベート大会などで全国レベルの実績を残すような生徒です」
海外在住者が直面する親の相続手続き
パラオ在住の伊藤洋美さんは、相続手続きについて説明しています。 8月にお母さまが亡くなられた伊藤さんは、緊急帰国をしました。しかしお盆や台風が重なり、連絡を受けてから日本に到着するまで3日間もかかったといいます。さらに、日本に着いてからが大変です。 「泣いていられるのは葬儀まで、手続きをとにかく早くやって仕事に戻らねばなりません。そもそも、母親の状況をまったく把握していなかったので、銀行の口座、生命保険、不動産、収入はあったのか? など、どこに何があるのかということから探さなければなりませんでした」 伊藤さんは、日本にしばらく滞在してこの煩雑な手続きを終えたそうですが「リモートができない仕事で、この手続きをするのは大変だと思います」と書いています。 「行政書士などの法律家に頼めば、大体のことは委任状を使ってやってくれるはずです。資産次第だとは思いますが、海外在住で日本に長期滞在する方法がない場合、そうなるのではないでしょうか」 「また、エンディングノート、とまではいかなくても、日本にいる親の収入の有無、不動産、銀行口座、生命保険などの会社名は少なくとも把握していれば、もっと簡単だったのではないかと思います」 一方、パラオでは「葬儀前までの家族会議(だいたい葬儀まで2週間くらいかけている)ですべての資産が把握できている」そうです。 「パラオの葬儀はビジネスの場。葬儀ですべてを清算するんだと、自嘲気味に言うパラオ人もいますが、日本のこれを体験するとそのほうが効率がいいな……という気持ちになりました」