「中国が強くなりすぎた」「中国企業が世界で天下を取り続ける」急成長中の経済大国インドが、それでも中国に勝てない“決定的理由”
中国のビジネスニュースを毎日見ているのですが、今年は各所で言われている通り不景気だったようです。中国語で書かれた記事の端々から、不景気感がにじみ出ていました。 【貴重な写真】インドやアフリカにも進出している中国企業を写真で見る その一方で、今年の日本では、“ネクストチャイナ”としてインドが取り上げられることが多くなったように思います。 でも個人的には、インドはネクストチャイナになれないと思うんですよ。これは、私が中国を紹介してるライターだから、というポジショントークではありません。 なぜなら、中国が強くなりすぎた。世界各国が中国企業に対して関税を数百%かけるくらい非現実的なことがない限り、中国企業が天下を取り続けるのではないか、と思っています。なぜ私がそう考えるのか。それをこれから解説していきます。
中国のECサイトの普及
今年の前半、日本のメディアで「Temu」や「SHEIN」といったECサイトがよく取り上げられました。中国の商品を激安で販売していて、日本からだけでなく、世界中で激安商品が買えるようになっています。これまで以上に、ECサイトで中国商品が購入しやすくなったのです。 ECサイトで商品を購入するのは、「安い」「質がまあまあいい」「確実に素早く届く」という点が便利だからですよね。中国のECサイトは、この要素を満たしているのです。海外の客が現地通貨で商品を購入すると、出店している企業の手元に確実に入金される決済方法も確立している。中国企業が世界中に商品を売るための仕組みがこの数年で出来上がったのです。 中国企業が世界中に商品を売る仕組みは、2010年代後半頃から構築されるようになりました。ただ、当時はECサイトが生活に根付いている国がそこまで多くなかったため、中国企業が商品を売ろうとしても、ユーザーはEC自体を利用してない、というミスマッチがあったんです。
しかし、2020年に新型コロナウイルスが感染拡大し、世界中で“家ごもり”が起きたことで、各国で一気にECサイトが普及した。