ラグビーW杯開幕まで1年。闘将リーチが語る日本のベスト8進出に必要なこと
ラグビーワールドカップの2019日本大会が、ちょうど1年後の9月20日に開幕する。この日、東京・港区の明治記念館では記念イベントが行われた。アジア初開催となるワールドカップで史上初の決勝トーナメント進出を狙う日本代表は、予選リーグのプールAで、2019年9月20日に味の素スタジアムで行われるロシア代表戦から順にアイルランド代表、サモア代表、10月13日のスコットランド代表戦までを戦い、5チーム中、2位以内に入れば、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチが目標に掲げる「ベスト8」をクリアできる。 「格闘家の人と喋っていても、『日本人が一番、メンタル、強い』ってよく言われます。でかい相手を倒すのはとても大変だけど、それを見せられたら色々なスポーツにもいい影響を与えられると思います」 こう語るのは、日本代表キャプテンのリーチ マイケル(東芝)。8月下旬、都内で展望会見を開いていた。2015年にイングランドでおこなわれた前回大会では、チームの主将として優勝候補の南アフリカ代表などから歴史的3勝をマークしている。 2016年の代表活動はけがや心身の疲労から辞退するも、復帰した2017年の秋には主将に返り咲いた。代表強化のために2016年に発足したサンウルブズ(国際リーグのスーパーラグビーに参戦)にも、2018年から加わる。 現在の代表は、ワールドカップ未経験のジェイミー・ジョセフヘッドコーチのもとチームを再構築中だ。リーチは今回の取材で、ジョセフ率いるチームのイングランド大会時との違い、今後の道しるべについて語っている。 「前回のエディーの時と比べて、だいぶ上(のレベル)に感じています。(違いは)メンタリティ。前回までは結果を出していなかったけど、いまは勝つ想像ができます」 日本代表は、リーチが初めて出た2011年のニュージーランド大会で未勝利に終わっていた。以後4年間は、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチのもと1日3回のセッションが当たり前の猛練習を実施。ワールドカップで勝つための基準を示したのは、指導者として挑んだ大会通算戦績が当時で13勝1敗(イングランド大会後は16勝2敗)のジョーンズだった。 一方でいまは、リーチや堀江翔太、田中史朗(以上パナソニック)らイングランド大会経験者がその基準を肌で知る。2017年6月のツアーで控え組を中心に構成されていたアイルランド代表に2連敗した際も、リーチは「いままでやってきたことの質をプラス5パーセント、上げないといけない」と、本番に向けた具体的な強化指針を明示。あの時の成功体験によって、極度に悲観的にならない「メンタリティ」を作り上げていた。