鎌田大地にとっての最優先事項とは? 「やっぱり大事なのは…」今のサッカー日本代表とは「やってることが違うんで」【コラム】
⚫️「彼もすごいセンスでプレーするんで」
鎌田を取り巻く面々もよさを引き出そうと献身的にサポートしてくれる。ボランチ・守田英正(スポルティングCP)も「次に大地が入るんだったら、よりワイドに広がっていくようなプレーだったり、10番っぽく振舞ったり。彼もすごいセンスでプレーするんで、それに邪魔しないように、うまく生かしながらっていうのは考えてます」と話していた。 彼らの助けを借りながら、卓越したセンス、ボール保持力、多彩なパスさばき、そしてフィニッシュの精度といった彼自身のストロングを前面に押し出していけば、日本は確実に勝利に近づくはず。バーレーン戦の鎌田は攻撃陣を力強くけん引すべきだ。 むしろ、そういったインパクトを残さないと、今後の最終予選もベンチスタートが続くことにならないとも限らない。2022年カタールW杯の鎌田は南野、久保を抑えて攻撃的MFでは最上位の位置づけにいたが、第2次森保ジャパン突入後、状況が一変。昨夏のラツィオ移籍を機に一気に困難な状況に陥った。 その結果、昨年10月シリーズで復帰した南野と入れ替わるように代表から遠ざかり始め、1~2月のアジアカップ(カタール)でまさかの選外となった。その後、ラツィオの監督交代に伴って試合出場機会が激増し、6月シリーズからは代表に戻ってきたものの、その間に序列を引き上げた久保と南野の後塵を拝する形になっているのが現状だ。 「今の僕らは誰も絞れないくらいの選手層の厚さになっている。この前のベンチの層を見ても、凄まじい能力を持った選手もいるんで、本当に相手もメディアのみなさんも誰が出るか予想できないと思います」と堂安も話していたが、今のチームで主軸アタッカーの座をつかみ取るのは本当に至難の業。セルティックで活躍している旗手怜央が中国戦でベンチ外になるほどだから、鎌田と言えども安穏としてはいられないのだ。
⚫️やるべきことは明確「大事なのはW杯に行くこと」
「やっぱり大事なのはW杯に行くこと。代表チームがしっかりW杯の舞台に立てればいいんです。僕自身、前回(2022年カタールW杯)最終予選は(途中から)選ばれなかったりして、悔しい気持ちもありましたけど、心の底から『W杯に出たい』と思ってチームのことを応援していた。それで前回W杯は試合に出ることができました。その経験を踏まえて、今回もまずそこを達成できればいいと思います」 彼自身は静かにこう話したが、仮に今後の最終予選に出たり出なかったりという宙ぶらりんな状況になったとしても、最終的に2年後の北中米W杯でレギュラーをつかみ、活躍することが最優先。いい意味で割り切って、彼は前進し続けていくに違いない。 そういうポジティブシンキングも大切だが、やはり代表での出番が多ければ多い方がベターではある。バーレーン戦で確固たる爪痕を残せれば、クリスタル・パレスでの評価も上がるだろう。今回の試合で大きく浮上するきっかけをつかめれば理想的だ。 「バーレーン戦では、ボールを奪われてからどれだけ早く切り替えて、ボールを回収できるか、相手のロングボールに対してどれだけコンパクトにできるかが重要になってきます。しっかりインテンシティを出してやっていかないと難しい試合になってしまう。前の選手は特に90分出ることを考えずに、全てを出し切るっていうことが大事かなと思います」 やるべきことを明確に描いている鎌田。バーレーン戦で先発かベンチスタートかはまだ分からないが、シャドウという最激戦区のポジションで輝きを放ち、新たな一歩を踏み出してほしいものである。 (取材・文:元川悦子)
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