「義実家で過ごす時間」はなぜこんなに辛いのか…年末年始に襲ってくる「帰省ブルー」の"諸悪の根源"
■年末年始にやってくる地獄のような時間 今の季節、「もういくつ寝ると……」という感じでウキウキしている方も多いだろうが、世の中はそういう人だけとは限らない。 【図表】殺人の被疑者と被害者の関係 「ああ、今年もまたあの地獄のような時間を過ごさないといけないのか……」と憂鬱になっている方もかなりいらっしゃるのだ。 正月休みに実家に帰省して、家族と過ごすことにストレスや不快な気持ちに襲われてしまう、いわゆる「帰省ブルー」の人々である。 その中でも、心の底からゲンナリとしているのが、「夫の実家に帰省する」という妻、もしくは「妻の実家に帰省する」という夫だ。 独身の帰省ブルーは「そろそろ結婚しないのか」「付き合っている人はいるの?」なんて根掘り葉掘り聞かれてウザいということもあるが、言っても「実の親」だ。ウザいことは幼い頃からよく知っているし、対処法もそれなりにわかっている。耐えられなければ、家から飛び出して地元の友人らと遊びに行くなど「緊急避難先」がある。 ■6割以上の女性が「義実家への帰省は憂鬱」 しかし、配偶者の実家へ帰省した人の場合そうもいかない。しかも、義家族とウマが合わなかった場合は最悪だ。実家でリラックスする夫や妻を尻目に、「他人」に囲まれてピリついた空気の中、嫌味や陰口などの「心理戦」にたった一人で耐えないといけない。 実際、株式会社greedenは、1001人の妻を対象に調査をしたところ、「義理の実家に帰省することは憂鬱」だと思う妻は65.4%もいた。 こういう「帰省ブルー」の話になると必ず出てくるのが、「甘ったれている」「1年に1回くらい、義理の実家に行って親孝行するくらい嫁として当然だ」などの批判だ。実際、ネットやSNSで帰省ブルーの悩みを抱えている方は、周囲からそのようなことを言われて苦しんでいる。 ただ、筆者に言わせれば、「帰省ブルー」というのは、現代社会を生きる人として、極めて自然な感情である。 「家族」というものは確かにかけがえのないの存在ではあるが、一方で現代人を苦しめる牢獄のようなところがある。ゆえに、「家族」という枠組みに執着して、個人の意志を握りつぶすようなことをすると、アカの他人に感じる以上の激しい憎悪が生まれてしまうからだ。