2025年も超重要「フィンテック10大トレンド」、DXやAI、BaaSはどうなる?
2025年とはどんな年か?21世紀になって四半世紀が経過しようとしている2025年は、日本にとってさまざまな意味で節目の年である。本稿では、まず以前から指摘されている象徴的な事項を説明する。その後「金融DXの拡大」「生成AIの実用化と発達」 「キャッシュレスの進展」 「BaaSの新たな展開」「デジタル通貨の実用化」「デジタル証券の多様化」「保険のパーソナライゼーション」 「SME向けサービスの拡大 」「ネット金融犯罪のさらなる増加」など10項目を解説する。 【詳細な図や写真】統計からみた我が国の高齢者(出典:総務省、2023年9月)
超高齢化社会の到来:「2025年問題」
2022年から団塊世代が75歳に到達し始め、2025年には75歳以上の後期高齢者が国民の5人に1人となることが予想されている。 高齢者の増加により、年金・医療・ 介護のニーズが高まるのとともに、人手不足が深刻化することは必至と言われている。こうした社会変化は、金融ビジネスにとっても顧客層の変化とともに、雇用確保の面からも大きな影響があると予想される。
DXの出遅れ:「2025年の崖」
経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」の中で初めて使用された言葉で、日本国内の企業が市場で勝ち抜くためにはDXを推進するが必要あり、DXを推進しなければ業務効率・競争力の低下は避けられないとしている。 競争力が低下した場合の想定として、2025年から年間で約12兆円もの経済損失が発生すると予測されており、これを「2025年の崖」と表現している。 その指摘を金融業にあてはめてみると、「レガシーシステムの存在」「IT人材の不足」「セキュリティリスクの増大」「IT市場の急速な変化」といった要素は深刻な課題となっており、効果のあるDXを実現できた金融機関が生き残っていく時代となりつつある。
電子認証書の大量更新:「マイナンバーの2025年問題」
2024年12月には新規の健康保険証発行が停止され、マイナンバーカードの利用に切り替わる。 一方で、更新期間10年のマイナンバーカードに搭載されている電子認証書の期限が5年であるために2025年にトラブルが発生することが予想されている。 これは、マイナポイントが2020年から実施されたことによってマイナンバーを取得した多数の電子認証書が次々と5年の更新期限を迎えるためで、2025年だけで2700万人以上が対象となることが予想されている。 マイナンバーカードを保険証として利用するためには電子認証書が有効であることが必要であり、更新に気付かない人が保険証を使えないといった多くの問題が発生されることが懸念される。 こうした節目の年にあたって、重要と考えられるフィンテックトレンドとして次ページから10の項目を解説する。