大阪メトロ「万博の玄関口」夢洲駅の実力は? いよいよ1月19日開業、大勢の来場者を出迎える“近未来”地下空間
大阪市高速電気軌道(Osaka Metro、以下「大阪メトロ」)は、中央線コスモスクエア―夢洲間の開業日を2025年1月19日に決定した。 【写真を見る】これが未来の駅なのか?大阪・関西万博の会場へアクセスする大阪メトロ中央線の夢洲駅。改札口やホームなど駅構内を一挙公開! 今里筋線の開業以来19年ぶり、大阪メトロとしては初めての延伸開業を前に、同社では試運転を断続的に実施。開業への準備は万端だ。 ■地下鉄建設の紆余曲折 夢洲駅は、文字通り大阪港の人工島である夢洲の中心に位置する。もともと夢洲は、1980年代後半に隣接する舞洲や咲洲とともに「テクノポート大阪計画」として開発が計画された。
【写真を見る】これが未来の駅なのか? 2025年大阪・関西万博会場の「最寄り駅」となる大阪メトロ中央線の夢洲駅。広大な地下空間が広がる駅構内は? 1990年代後半には、大阪府や大阪市が招致を進めていた2008年夏季オリンピックの選手村を建設する計画も浮上。そのアクセス手段として、道路トンネルである夢咲トンネルと共に地下鉄の建設が進められた。 だが、オリンピックの招致に失敗し、テクノポート大阪計画も頓挫したことから地下鉄の延伸は中止。コスモスクエア駅がある咲洲と夢洲をつなぐ夢咲トンネルは、道路部分と一体化している地下鉄部分の躯体が完成した段階で、地下鉄部分の工事が打ち切られた。
風向きが変わったのは、夢洲が大阪・関西万博や統合型リゾート施設(IR)の予定地として取り上げられるようになった2010年代半ばのことである。 これらの来場者を運ぶルートとして、再び地下鉄の建設計画が進行。2025年の大阪・関西万博開催が2018年に決定したことを受け、延伸が現実のものとなった。 夢咲トンネルは、前述の通り地下鉄部分の躯体が完成しているため、今回の工事はここに続く島内のトンネルと夢洲駅舎の建設、そしてトンネル内部を含めた全区間の線路敷設や電気・信号通信設備の設置が主な内容である。
夢洲駅の建設工事は2020年7月に始まり、これと前後して島内のシールドトンネル工事もスタート。いずれも順調に進み、2023年中にコスモスクエア―夢洲間がトンネルで結ばれた。 引き続き、線路敷設や各種施設の設置が行なわれ、これらがほぼ完了した2024年8月からは試運転も開始された。 ■地下の広大な駅空間 夢洲駅は地下1階がコンコース階、地下2階がホーム階という構造である。万博会場には1日最大13万人程度が鉄道で訪れると予測されており、これをさばくためコンコースの幅は約17mとかなり広い。