大阪メトロ「万博の玄関口」夢洲駅の実力は? いよいよ1月19日開業、大勢の来場者を出迎える“近未来”地下空間
わずか半年間のためだけに、駅だけでなく路線そのものも新設するというのはあまり例がなく、これだけを見ても1970年の万博がいかにすごかったかが分かる。 【写真の続き】2025年大阪・関西万博を控えた夢洲駅の改札口。1970年万博で活躍した北大阪急行電鉄の旧会場線跡の写真も ■万博後の駅の未来は? 一方、今回の延伸区間は全線が地下構造であり、全体の事業費も約520億円と莫大なこともあって、さすがに「半年で廃止」というわけにはいかない。では、閉幕後は延伸区間が“お荷物”となってしまうのかと思われがちだが、どうやらその心配はなさそうだ。
というのも、万博会場の北側ではIRの建設が始まっている。IRの運営事業者は、大阪府に対し違約金なしで事業から撤退できる「解除権」を2024年9月に放棄しており、IRの開業はほぼ確実となった。運営事業者は2030年秋の開業を目指しており、その暁には夢洲駅も来訪者輸送に一定の役割を果たすだろう。 紆余曲折を経て、ようやく開業にこぎつけた夢洲への地下鉄路線。その前途が明るいものであることを祈りたい。
伊原 薫 :鉄道ライター