大阪メトロ「万博の玄関口」夢洲駅の実力は? いよいよ1月19日開業、大勢の来場者を出迎える“近未来”地下空間
2カ所ある改札口のうち、万博の東ゲートに近い南改札口には16台の自動改札機がずらりと並び、うち9台がQR乗車券やクレジットカードのタッチ決済対応、1台が顔認証専用となっている。 コンコースの壁面には高さ約3m、長さ約55mと駅構内では日本最大級のデジタルサイネージが設けられたほか、改札口付近にも可変式のサイネージがぶら下がり、金属パネルを用いた折り紙天井と相まって近未来を感じさせる。 【写真の続き】天井から大型サイネージがぶら下がる南改札口付近の様子
コンコースの北側には、トイレや休息スペースがまとめられていた。トイレは男性用・女性用に加えオールジェンダー対応として完全個室型のトイレも設置。授乳やおむつ替えなどに使えるベビーケアルームに加え、発達障害やパニック障害を持つ人が人混みや騒音などによる感覚過敏な状態から避難できる「カームダウン・クールダウンスペース」を設けるなど、大阪メトロでは初となる取り組みがなされている。 ■シックな色合いのホーム
ホームは1面2線の島式構造で、長さは約160m、幅は約10m。中央線は現在6両編成だが、8両編成に対応できる長さが確保されている。壁や天井、可動式ホーム柵は黒を基調としたシックな色合いで、中央線のラインカラーである緑色のライン照明がシンプルながら引き締まった空間を印象付ける。 駅のデザインには「移世界劇場」というコンセプトワードが掲げられており、列車を降りた乗客が照度を落としたホームの線路側から光を反射するメタリックな折り紙天井、そして明るいコンコース階へと導かれることで、移動の魅力や多様性を演出しているそうだ。
万博に合わせて導入された新型車両・400系はまるで宇宙船のような“顔”を持つ。さぞかしこの空間によく似合うことだろう。 【写真の続き】ホーム階の天井は金属製の折り紙調、壁面には中央線のラインカラーである緑色のライン照明、そして夢洲駅の駅名標 ところで、1970年に大阪・千里丘陵で開催された万博では、大阪メトロの前身である大阪市営地下鉄が今回と同様、来場者輸送に大きく貢献した。 この時は、地下鉄御堂筋線と直通する北大阪急行が、会場メインゲート近くに万国博中央口駅を開設。同駅とここに続く会場線は万博の会期中だけ営業し、閉幕と共に廃止された。