パナソニックパンサーズから大阪ブルテオンへ 大胆なリブランディングは覚悟の表れ
大胆なリブランディングは何をもたらすのかー。バレーボール男子チームの名門パナソニックパンサーズは、長年使用してきた名称とエンブレムを一新して「大阪ブルテオン(英語表記OSAKA BLUTEON)」として生まれ変わった。今年10月に始まる新リーグ・SV.LEAGUEを見据えた動きの一環だ。一方で、リーグ屈指の強豪であり、リーグ随一の人気を誇るチームのファンたちからは、多くの戸惑いの声が出ていた。なぜ「パンサーズ」を新しいチーム名に残さなかったのか、なぜホームタウンである「枚方」ではなく、「大阪」をチーム名に採用したのか、また、ファンに親しまれてきたパンサーズポーズは無くなってしまうのか、等々。長い時間をかけて築き上げてきた「パナソニックパンサーズ」という看板を付け替えるのは、思い切った決断である。その判断にはどんな狙い、考えや思いがあったのか。
世界最高峰を目指すSV.LEAGUEで世界最高峰のクラブを目指す
6月11日、大阪市でリブランディング発表会が行われ、新チーム名「大阪ブルテオン」と、「B」をモチーフにした新しいチームエンブレムが披露された。BLUTEONは「Blue to Eon(永遠なる青)」という言葉を元に考えられた。 日本代表の活動の合間を縫って会見に参加した西田有志は「デザインもチーム名も一新されて、やはりパナソニックパンサーズという名は昔から強いチームっていう印象がある中で、こうやって大きな変化があることだと思います。これからいろんな1ページを築いていくと思いますけど、本当に新鮮な気持ちでいっぱいです」と述べ、チームキャプテンである日本代表・山内晶大は「格好良いイメージと、パナソニックパンサーズという名前ではなくなる寂しさはありますけれども、チーム一丸となって、ファンの方々と一緒に世界最高峰のクラブを作っていけたら」と期待をこめた。 チームの運営会社パナソニックスポーツの久保田社長は、リブランディングを実施した理由として「我々が目指すものは世界最高峰のクラブになること。SV.LEAGUEは世界最高峰のリーグを目指すと示していて、我々もクラブとして世界最高峰になっていきたい。そう考えた時にグローバルで唯一無二の存在になって価値を高めていく。これを目指していかなければならないと考えた」と会見で話した。 そして、パンサーズという名前を手放した理由については「パンサーズというチーム名称は世界中、日本国内にも同じ名前のチームがたくさんある」(久保田社長)からとした。 今後世界に名だたるチームを目指すにあたって、パンサーズのままだと、例えばインターネットの検索において埋もれてしまって上位に表示されなかったり、商標の面でもリスクがあったという。だからこそ思い切った変更を行った。 また、チーム名に拠点の「枚方」ではなく「大阪」とした点についても「今後、大阪府下でホームタウンを拡大することも考え、大阪全体を代表するチームになれないかとこの名前を付けた」という。既に、枚方市だけでなく、周辺の門真市、守口市、寝屋川市、交野市とも連携協定を結んでいる。