「知らなかった」今年の年賀はがきのデザインに隠された注目点【全国で8人しかいない切手デザイナーに聞く】
星山さん:実は絵を描いている時間はほんの一部で、権利関係の交渉や利用料の支払い手続きなども切手デザイナーの仕事です。出来上がったものの校閲・図案考証など、デザイン以外の仕事も多いです。 ── 年賀状を出すの今年でやめるという「年賀状じまい」という言葉も登場し、年々年賀状を送る方が減ってきていることが話題にあがります。 丸山さん:私たちとしても危機感はあります。時代の流れとして、個人間での郵便のやり取りが減ってきているのも分かるのですが、温かいやり取りができるのが年賀状のよさだと思っています。たとえ縮小の流れではあっても、面白いことを盛り込みながら、細々と続けていくのが自分たちの仕事だと思っています。
星山さん:年賀状を書く作業は、忙しい時期に大変なことではあるのですが、配達の方が届けてくれるときのワクワク感は、元日ならではの文化だと思います。出すのはちょっとめんどくさいけれど、受け取るのはうれしいですよね。届いた年賀状を家族で仕分けて、手書きで書いてあるコメントを読むのも楽しいです。年賀状を通じて文字の持つ力というものが生きていると感じます。人とのつながりを感じられる習慣を残していきたいです。
取材・文/内橋明日香 写真提供/日本郵便株式会社
内橋明日香