皆が思っているほど完璧じゃないクルマ 「弁慶の泣き所」を抱えた名車 20選
ポンティアック・ルマン(1988年)
ポンティアック・ルマンの名称は、1960年代後半にマッスルカーとして世に送り出されたが、1988年に登場したルマンはまったく違うクルマだ。名前に惹かれて購入すると、落胆したに違いない。 実態としては、旧式化したオペル/ヴォグゾールのアストラを、韓国で大宇が低コストで生産し、ポンティアックのエントリーモデルとして米国全土で販売したモデルだ。新車当時はお買い得感が強調されていたが、ホンダやトヨタのコンパクトカーの方が優秀で、品質も良かったはずだ。
ビュイック・パーク・アベニュー(1992年)
1989年のコンセプトカー「ビュイック・パーク・アベニュー・エッセンス」の発表から、1991年の市販モデル「パーク・アベニュー」生産開始までの2年間に、何かが大きく狂ってしまった。コンセプトは大型米国車のダイナミックな新イメージを打ち出したが、市販モデルはかつての直線的な角が削ぎ落とされた普通のセダンに過ぎなかった。 3.8L V6エンジンは、特にスーパーチャージャー付きのウルトラ仕様では優れた性能を誇ったが、ベンチタイプのフロントシートはサポート性に欠け、乗り心地はソフトでふわふわしているため、ダイナミックに走り回れるクルマではなかった。 コラムシフトと平凡な乗り心地により、BMWやレクサスの基準には遠く及ばなかったが、米国の威信の象徴として欧州に輸出された。現在では高い価値を見出されているが、個体数はあまり多くない。
ブリストル・ファイターT(2004年)
ツインターボで最高出力1026ps、最高速度360km/h、0-97km/h加速3.5秒という大それた謳い文句を誇るファイターTだが、知名度が低く資本も少ない英国のブリストルとは相容れないように思える。 ガルウィングドアもまた、イングランド西部にいるような田舎者ではなく、メルセデス・ベンツが設計したものであってほしい機能だ。 実際のところ、量産車としてのファイターTはほとんど存在しないに等しい。ダッジ・ヴァイパーのV10エンジンを搭載した標準モデルのファイターが12台ほど生産されただけだ。 それに、エアロダイナミクスはちゃんと機能するものだったのだろうか? これほど速いクルマには、スポイラーやエアダムをつけて路面に押さえつけてやる必要があるが、ブリストルは航空機メーカーの伝統と歴史を重んじ、 “高み” を目指していたのだろうか?