皆が思っているほど完璧じゃないクルマ 「弁慶の泣き所」を抱えた名車 20選
スバル・インプレッサSTI WRX(2008年)
2008年にデビューしたインプレッサSTI WRXは、2.5Lボクサーエンジンで最高出力300psを発生し、0-97km/h加速4.8秒と四輪駆動の強力なグリップを誇る。性能数値だけを見ると、その名を冠するにふさわしい新世代モデルだった。 しかし、広告やカタログがどう伝えようと、見過ごせない点があった。スバルはドイツのライバルたちと肩を並べようとするあまり、本来の個性を失ってしまったのだ。 巨大なリアウィングを備えたおなじみの3ボックス・セダンは姿を消し、代わりに5ドアのハッチバックが登場した。そして、コスト削減のためインテリアを徹底的に見直したのだ。スバルのアイコンとして、もっとふさわしい姿があったのではないだろうか……。
トヨタGT86(2012年)
2.0Lの2+2スポーツカーであるトヨタGT86(日本名:トヨタ86)は、後輪駆動と細いタイヤという基本に立ち返ったデザインで、実際、かなり「ベーシック」なクルマに仕上がっている。 それは必ずしも良い意味でではなく、キャビンは閉塞感があり、質感も安っぽかった。ハンドリングはオーバーステアが特徴で、週末にイベント会場でドリフトを楽しむ分には問題ないが、雨に濡れた公道ではお荷物かもしれない。 そして、中回転域のトルクが明らかに不足しており、日常的なドライビングで活気ある走りをするには不向きだった。オールラウンドに優れたマツダMX-5が実証しているように、必ずしもこのような特性にする必要はない。後継となる新型GR86は、先代のレシピを受け継ぎながらもこうした弱点を改善している。 (翻訳者あとがき:AUTOCARの英国記者は辛口で、辛辣で、やや冷笑的な一面もありますが、この記事はクルマの偏ったイメージや評価を補正することを目的として書かれたものです。欠点をあげつらって批判することは意図するところではありません。実際、特にトヨタGT86に関しては、英国記者も最高レベルの評価を与えて絶賛しています。欠点は場合によって美点となり得ますし、一度好きになれば「あばたもえくぼ」として愛せてしまうのもまた事実だと思います)
AUTOCAR UK(執筆) 林汰久也(翻訳)