「最寄り駅」じゃない方の“ナゾの登山駅”「富士山」には何がある?
「一富士二鷹三茄子」という言葉がある。これを初夢で見ることができたなら良いことがあるよ、という縁起もの。だから、毎年お正月には、どうせならば一富士二鷹三茄子のどれか、できることなら富士山が夢に出てきてくれないか、と毎年のように念じながら眠りに就くのである。 【写真】「最寄り駅」じゃない方の“ナゾの登山駅”「富士山」を写真で一気に見る ところが、あいにくいままで富士山どころか鷹も茄子も夢に出てきたことはない。 だから、今度こそは何とか富士山の夢が見たい。ならば、頭の中を富士山で埋め尽くしておけばいいのだ。そのためには、富士山に行くしかない。もちろん冬の富士山に登るほど登山経験が豊富なわけでもないから、その手前。「富士」の名の付く駅に行ってみようと思う。 といっても、「富士」と付く駅はあちこちにある。だいたいが富士山の裾野の山梨県や静岡県なのだが、東京都内にも富士見台や中野富士見町といった駅がある。遠く鳥取県にも富士見町駅があるくらいだ。 なんでも、全国に18もの“富士”駅があるという。その中で、富士山の夢を見るための駅ならどこか。やっぱり、いちばん富士山に近く、それでいて駅名もそのまんま、富士山駅に決まっているのである。
“ナゾの登山駅”「富士山」はどこにある?
富士山駅というわかりやすすぎる名前の駅は、山梨県富士吉田市、富士急行線の駅だ。大月駅で中央本線から乗り換えて、だいたい50分。富士急行線には新宿駅からの特急「富士回遊」も1日に少なくとも4往復乗り入れている。新宿駅から富士山駅までは2時間弱だ。 富士急行線の終点は富士山駅から富士急ハイランド駅を挟んでふたつ先の河口湖駅だ。そちらの方がターミナル然としているし、富士スバルラインへのバスの発着ターミナルにもなっている。とうぜん特急「富士回遊」も河口湖駅が終点だ。 ただ、富士山駅からも五合目へのバスや東京方面への高速バスなどが出ている。基本的な役割としては、河口湖駅とほとんど変わらないといっていい。そして加えて、富士山駅には富士山麓の町・富士吉田市のターミナルという顔も持っている。 そういうわけで富士山駅だ。この駅で富士急行線はスイッチバック、方向転換して河口湖駅方面に向かう。だから駅の構造は頭端式。ホームの上からは、富士山はもちろんのこと富士急ハイランドのジェットコースターも見える。そんなホームの端っこから改札を抜けると、そのまま「Q-STA」という名の駅ビルに続く。 Q-STAは、地上6階地下1階という実に立派なターミナルビルだ。1975年、イトーヨーカドーを核店舗としてオープン。2005年にヨーカドーは撤退、その後リニューアルして現在の形になった。