あなたは「ため口社員」をスルーできますか? イチローも「上下関係あってほしいと」母校野球部で説いたが…
先だって、イチロー氏(51=現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が母校・愛工大名電高をサプライズで訪問。 【写真あり】ダレノガレ明美が結婚しない理由「財産取られたくない」とZ世代男性「姉さん女房」志向の相関関係 野球部の指導を行った際、1年生部員がたまに2年生に対してため口を使うということを聞いたイチローは「ある程度、上下関係はあってほしい。緩くなったら、ずっと緩くなる」「緩めるのは簡単だけど、戻すのは大変だから」などとアドバイスしていた。 イチローの発言について、ネット上には〈別に普通のことだと思う。社会に出ても一緒〉と賛同する声の方が目立つものの、中には〈年齢は関係ないと思うなー。先輩なんてただ単に先に生まれただけ〉なんて否定的な意見もなくはない。 ある都内の公立高教師は「昭和時代の部活動って2年生になってようやく人間扱い、3年生は神様みたいな存在でしたから、隔世の感はありますよね」とこう続ける。 「緩くなったとはいえ、野球部の上下関係を嫌って、ゆるゆるのサッカーに流れる生徒は多い。先輩のことは“君付け”で呼び捨てにはしませんけど、ため口でもとがめられませんからね。上下というより仲間という横の意識が強い。ただ、それも狭い部活の世界の話で社会に出てから苦労しそうなので、訓練の意味で先輩には敬語を使ってほしいんですけど」 教師に対してもため口を挟んでくる時代に、まあ、望み薄か。 ある中堅メーカーの人事担当者はこう言ってため息をつく。 「若手の中では優秀って言える社員でも、上司だけじゃなく、顧客相手に時々ため口が出てイラッとしたり焦ったり。でも上司がため口で強く注意すると、パワハラになりかねない。感覚が古いのかもしれませんけど、あいさつも目下から先にするって昭和の常識が通じません。もう指導するのが面倒になって、上司の方から部下に敬語を使っていたりします」 ため口社員は今後ますます増えるはず。多少の無礼はスルーできる胆力が必要になりそうだが、明大講師の関修氏(心理学)はこう言う。 「礼儀やマナーといった所作は日常の積み重ねで身につくもの。教育勅語を復活させろなんて暴論ではなくて、やはりある程度、子供の頃から家庭や学校で教えていかないと、一朝一夕ではどうにもならない。大学で就活の面接の仕方を指導したところで、それはあくまで付け焼き刃。入社後にボロが出る。イチローさんの指摘は的を射ていると思いますね」 確かに緩めるのは簡単だけど、これから戻すのは大変そうだ。