熊本勢初の決勝へ 慶誠を引っ張る熊本弁交じりのロージョバ40得点25リバウンド 高い意識呼んだ初戦前の出来事【ウインターカップ女子】
◆バスケットボール・全国高校選手権ウインターカップ女子 慶誠78―65大阪薫英女学院(27日、東京体育館) ■「うお~スゲー発想」超巨大ヌードルツリー登場【写真】 一身に耳目が集まるメインコートでも臆することはない。快進撃は継続だ。女子の慶誠が強豪の大阪薫英女学院に快勝。熊本県勢初の決勝への切符をつかみ、右田卓也監督は「構えず、受け身にならず。自分たちのバスケを貫けた」と振り返った。 司令塔の岸希主将(3年)の巧みなゲームメークを基に、留学生で身長187センチのロージョバ(同)を中心とした、積極的な攻めを展開する慶誠のバスケットが終始繰り広げられた。ロージョバは圧巻の40得点で25リバウンドと原動力となった。 ゴール下を完全に支配したほか、3点シュートも2本決めた立役者。セネガルから来日して3年近くなり、流ちょうな日本語に少しだけ熊本弁が入り交じることもある。「いいプレーができたと思います」と満面の笑みを浮かべてうなずいた。 体力的に苦しい時間もあったがフルタイムでコートに立った。右田監督が交代を持ちかけても「私、出る。私がやる」と即答し、主力としての高い意識を示す。慶誠のバスケを貫くには自らがベンチに退くわけにはいかないと認識するからだ。 初戦の和歌山信愛戦に向かう前の宿舎だった。3分だったがロージョバはバスの集合時間に遅れた。右田監督は「誰かが乱れるとチームは崩れるぞ」と本人にも全体にも説いた。誰よりもチームを思う人柄だけに、その時から変わったという。 過去には疲労が重なると手を抜くこともあったが、今大会は初戦から全力プレーを継続。心の成長も進撃の力となった。3連覇を目指す京都精華学園との決戦だが、慶誠は9月に勝っている。「日本一になりたい」と頼もしく大黒柱は笑った。(山田孝人)