東京で開催中「ポケモン×工芸展」ミュウツーの“表皮”に多数のポケモンを発見!驚きの彫金作品の誕生秘話
「新しいことをするって、その裏でどれだけの失敗があるか、なんだと思います。トライ&エラーの膨大な時間とお金がかかっています。だから真似しようとする人がいないようです(笑)」 そんな道具を作品ごとに用意しているのだから、驚かされます。 「今回も、ミュウツーのために全部新たに道具を作りました。ポケモンのゲームは最新作が9作目なのですが、これまでのシリーズからポケモンを8種類くらいずつ、満遍なく選んで、それぞれのゲームで遊んだ幅広い世代が楽しめることを考えました。ポケモンとモンスターボールの金属パーツは合わせて約80種類あります。ポケモンはいま全部で1000匹以上いるので、全種類を網羅するのは、ちょっと難しいですけど(笑)」 <写真>金沢会場より出展している吉田さんの4つの作品。左から、《シャワーズ》《イーブイ》《サンダース》《ブースター》。サンダースは金沢会場のポスターにもなった。
「子どもの反応はもう種々様々。ゲームの中ではかっこいい、かわいい印象が強いけれど、自分自身が子どものころに犬を飼っていた体験で気付いたのは、吠えると歯茎がぐわって見えたりなど、画面越しではわからない表情があること。子ども達が気持ち悪いとか怖いって感じることがすごく大事なんだと思います。だから、僕の作品を見て、そんなふうに思ってくれたら嬉しいですし、実際にそんな表情もいっぱい見ました。そういう意味では、すごく成功したと思っています」 作品の前を通り過ぎることなく、金属でできたポケモンに向き合った子ども達にとって何か人生の起爆剤になるような強さを。今回のミュウツーもまた、そのような作品でありたいと、吉田さんは願っています。 【ポケモン×工芸展-美とわざの大発見-】 会場/麻布台ヒルズ ギャラリー(東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階) 会期/~2025年2月2日(日) 前期:~2024年12月25日(水) 後期:2024年12月26日(木)~2025年2月2日(日) 開館時間/月~木・日曜 10時~19時、金・土曜・祝前日 10時~20時(いずれも最終入館は閉館の30分前まで) 休館日/2024年12月31日(火) 料金/一般1,800円ほか 撮影=セドリック・ディラドリアン、田村聡 文=田中敦子 編集=井本茜(婦人画報編集部) ©2024 Pokémon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.