この秋、岡山県の北部へ! クリエイター百花繚乱「森の芸術祭」に行こう!!
この秋、岡山県北部エリアで、「森」をコンセプトに、「誘惑」をキーワードにした「森の芸術祭 晴れの国・岡山」が開催されます。アートディレクターを務めたのは、キュレーターとしても世界的に高く評価されている金沢21世紀美術館館長の長谷川祐子さん。数多くのクリエイターを招き、彼女はどんな手法で私たちを「誘惑」しようとしているのでしょうか。
渓谷や鍾乳洞の大自然も伝統建築も、何でもある!
9月から開催される森の芸術祭の舞台となるのは、津山市、高梁市、新見市、真庭市、美作市、新庄村、鏡野町、勝央町、奈義町、西粟倉村、久米南町、美咲町の岡山県北部12市町村だ。
作品の展示は、以下の6エリアで行われる。 ・自然環境や文化などの資本が交錯し、江戸時代から近代への歴史を辿る場所「津山城周辺エリア」 ・広大な敷地内にカフェや遊歩道、フラワーガーデンなどが点在する地域の憩い場「グリーンヒルズ津山エリア」 ・作品と建物が半永久的に一体化した、世界で初めての体感型美術館を有する「奈義町現代美術館周辺エリア」 ・鍾乳洞など自然の造形美が広がる「満奇洞・井倉洞エリア」 ・観光文化発信拠点施設「GREENable HIRUZEN」を有し、サステナブルの価値を体感できる「蒜山エリア」 ・素晴らしい渓谷美の「奥津エリア」
これらのエリアには、かつて城下町や宿場町として栄えた地区もあり、さまざまな伝統建築や工芸、芸能などのレガシーが残されている。また、蒜山高原、美作温泉、鍾乳洞など、過度に観光地化されていない風光明媚な名所もあるし、フルーツや木材など大地や森からの恵みにも恵まれている。木質バイオマス発電など森林資源を生かしたサステナブルな取り組みがおこなわれているのも、この地域の特徴だ。
13ヵ国から40名のアーティストが参加
森の芸術祭というだけあって、コンセプトのひとつは「森」。 「この地域の自然の恵みや文化、人々が集まる場所としての多様性と豊さを象徴するのが森。それがもたらす恵みから、エコロジー思考や新しい資本の可能性を探ろうとするのが、この芸術祭の主旨です。美術館や学校などの文化施設、水やエネルギー、食の供給といった生活インフラ、 自然環境……。これらを共通の資本と考え、アーティストだけではなく、建築家、科学者、民俗学者などの専門家のほか、地域の人々の協力を得ながら新しい資本=作品をつくり上げていきます」(長谷川さん、以下同)