「ゴミ屋敷になった部屋に彼女を呼びたい」“無気力状態”から部屋が荒れてしまった男性が、2時間で「ゴミ屋敷」を片付けた結果
「片付けるのがもともとすごく苦手で、だんだんとゴミが溜まってきてしまって、きっかけをつかめずにズルズルとここまできてしまいました。仕事でうまくいかないことがあって、無気力な状態が1カ月ほど続いて、そのときにゴミが溜まっていってしまいました」(男性) ベランダにも空のペットボトルが散乱している。はじめに散らかり始めたのはベランダだった。 「何回か片付けしようと思ったとき、ゴミはまとめて室内に溜めてある状態だったので、とりあえずベランダに置いていたらこうなってしまいました」(男性)
ベランダに置いていたゴミは雨風にさらされ、次第にグチャグチャになってしまった。そうなってしまえば、さらに片付けるハードルは高くなる。ベランダはゴミでいっぱいになり、部屋中にあふれ出した。動線がなくなってベランダに出ることもできなくなった。 同じような経緯でベランダからゴミが溜まり出すケースは多い。ベランダの出入りがなくなるとそこを安全な場所だと認識してしまうのか、エアコンの室外機の裏に鳥が巣をつくってしまうこともあるという。
「ベランダに置いてあるモノはほぼ不要品だと思っていい」と二見氏が言うように、ベランダにモノが溜まり始めるのは“ゴミ屋敷化”してしまう前兆である。ゴミが部屋を侵食してしまう前にベランダは空にしたい。 ■ゴミ屋敷の住人が無気力になっていく原因 男性は仕事でうまくいかないことがあり、無気力状態になったことで部屋がゴミだらけになってしまった。その原因は、男性が仕事のほかにやっていた「ネットワークビジネス」にあったと、現場で作業にあたった二見氏は考えている。
「私の周りにもネットワークビジネスをやっている知人がいるのでわかるんですが、毎月これだけ売らないといけないというノルマがあるんですよね。そのノルマを達成していないとボーナスがもらえないとか。この依頼者さんは、おそらくそういったノルマを達成するために自分で商品を購入していたのではないかと思います」 そうして空の段ボールがどんどん溜まっていってしまった。 「本当にほしい商品を買ってもらうのなら、その経路がネットワークビジネスでもなんでもいいと思うんです。でも、ノルマによって昇格があったりボーナスがあったり、人間の欲につけ込むような商法はよくない。自己負担をしてまでやることではないですし、そうなってくると精神的に疲れてしまいます」(二見氏)