【パパママ必見】子どもの育てやすさに関係する「9つの気質」 将来に与える影響を医師が解説!
子どもの育てやすさや性格はどのような要素で決まるのでしょうか? 子どもの性格や気性を表す言葉として「気質」というものがありますが、どのような要素があるのでしょう。子どもの「気質」について児童精神科医の岡琢哉先生に回答してもらいました。 【イラスト解説】1歳を過ぎても”なかなか歩かない”赤ちゃんは病気? [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
「気質」ってどんなもの?
編集部: はじめに「気質」とは具体的にはどういうものか教えてください。 岡先生: 気質は、人が生まれながらに持っている性格の基礎と考えられています。これは生理的な要素や初期の反応スタイルを含んでいて、人のパーソナリティ(性格や人格)の基礎を形成します。 編集部: 「気質」はどのように分類されますか? 岡先生: アメリカの心理学者、A.トマスらは、136人の子どもの乳児期から青年期の成長過程を追跡調査し、気質を9つの基準に分類しました。この分類では「活動レベル」「生理的リズム」「新規場面への反応」「変化への順応性」「反応の強さ」「刺激への敏感さ」「全般的な機嫌」「気の散りやすさ」「目標に向けての粘り強さ」の9つの基準に分けられます。 編集部: それは、子どもの育てやすさにどう影響するのでしょうか? 岡先生: 先ほどお話した9つの気質の強弱や高低によって子どもの「育てやすさ」が3つのグループに分けられるとされています。それは「育てやすい(easy)」「適応がゆっくり(slow to warm up)」「反応が強い(difficult)」の3つです。気質の強弱によって影響されるこれらのグループ毎に子ども達への関わり方や環境への配慮が異なります。
気質の違いによって何が変わる?
編集部: それぞれの気質タイプについて、もう少し詳しく教えてください。 岡先生: はじめに「育てやすい」タイプの子どもは、新しい環境や変化に柔軟に適応しやすく、機嫌が悪くなることも多くありません。そして、これらの子どもたちは周囲の人々との関わりをスムーズにおこなうことができるため、育てる側が対応に困ることが少ないのが特徴です。 編集部: 「適応がゆっくり」タイプはどうですか? 岡先生: このタイプの子どもたちは、新しい環境や人々に慣れるのに時間がかかります。最初は消極的かもしれませんが、時間が経つにつれて温まり、安心して行動できるようになります。家族やよく知っている人の前では特に問題がないのに見知らぬ人や新しい場所ではまるで別人のように固まってしまうことがあります。 編集部: そして、「反応が強い」タイプは? 岡先生: このグループの子どもたちは、感情の波が激しく、不快な状況に遭遇すると強く反応することがあります。柔軟性が低く、状況に適応するのが難しいため、育てる側もじっくりと時間をかけて、対応をしっかり考えていく必要があります。