【パパママ必見】子どもの育てやすさに関係する「9つの気質」 将来に与える影響を医師が解説!
気質や性格は一生変わらない?
編集部: これらの気質タイプが将来の性格やパーソナリティにどのような影響を与えるのですか? 岡先生: 子どもの気質は、その後の人格形成の土台となりますが、絶対的ではありません。生活環境や受ける教育、親や教師・友人や出会う色々な大人との関係など、様々な要因が複合的に作用することで、最終的なパーソナリティが形成されます。気質がパーソナリティに与える影響は大きいですが、成長の過程で変化する余地が十分にあります。 編集部: では、どのようにすれば子どもの気質に適した育児をおこなうことができるのでしょうか? 岡先生: 重要なのは、子どもの気質を理解し、それに合わせた対応をおこなうことです。例えば、「反応が強い」タイプの子どもには、一貫したルールと落ち着いた環境を提供することが効果的とされています。一方、「適応がゆっくり」タイプの子どもには、新しい環境に慣れるための時間を与え、穏やかにサポートすることが重要です。また、これらの気質の問題と発達障害の特性とは全く別の概念なのでその点にも注意しましょう。 編集部: 気質はその後、どのように変わっていくのでしょうか? 岡先生: 繰り返しになりますが、気質は生涯を通じて一定ではありません。成長と共に変化することもあり、子どもの反応に対して周囲がどのように対応したか、そしてそれに対して子どもがどのように応じたかという相互交流を通して気質をコントロールする術を身につけます。このように気質を調整させることで人間は社会に適応する準備が進みます。その過程の中で得られるのが「パーソナリティ(人格)」です。パーソナリティや性格は変化しない、あるいは生まれつき決まっているかのように考えられることもありますが、周囲の環境と触れ合い、交流が進む時間経過の中で少しずつ形を変えるものだと理解しましょう。
編集部まとめ
子どもの性格の基礎である「気質」は、生まれながらにして個々に異なります。気質は特定の基準に基づき、「育てやすい」「適応がゆっくり」「反応が強い」という3つのタイプに分類できますが、単にラベリングするのではなく、これらの気質を理解し適切な対応を知ることで、子ども達の社会との関わり方や感情面の成長を促します。子どもの気質を知ることで、子ども達との関わり方や適切な環境を一緒に考えていく素地を作っていきましょう。
監修医師:
岡 琢哉 先生(株式会社カケミチプロジェクト) 児童精神科医。不登校・発達障がい等を支援する児童精神特化型の訪問看護ステーション ナンナルを運営する株式会社カケミチプロジェクト代表取締役。岐阜大学医学部附属病院精神神経科、東京都立小児総合医療センター児童思春期・精神科、医療法人社団神尾陽子記念会発達障害クリニック(現・神尾陽子クリニック)、岐阜大学医学系研究科博士課程を経て現職。NPO法人カケルとミチル理事、医療法人社団あやなり理事。