写真の力で平和を-東京、ロンドンなど世界11都市で展示会:マグナム・フォト+ユニクロ
国際的写真家集団「マグナム・フォト」メンバーによる作品展「GLOBAL PHOTO EXHIBITION - PEACE FOR ALL」(ユニクロ主催)が9月19日、東京・青山の国連大学前広場で始まった。作品は紛争や危機に直面する子どもたちや家族を捉えたもので、東京のほか、ロンドン、シンガポールなど世界計11都市で同時期に開催する。作品の一部はユニクロがTシャツにして販売し、収益金を寄付する。
不安な生活、力強く生きる人々写す
東京会場の国連大学前の野外広場には、マグナム・フォト所属の3人の写真家が撮影した63作品が並んだ。題材は、不安な生活を強いられながらもたくましく生きる人々の姿や、国際機関の現場での支援。写真家はそれぞれ、ベトナムの児童婚が残る地域、ルーマニアにおける戦火を逃れたウクライナの子供たち向けの支援機関、エチオピアの難民キャンプで撮影した。
ウクライナ避難民の子どもたちの姿
ルーマニアを舞台にした作品は、マグナム・フォトのオリヴィア・アーサー氏が撮影。ウクライナから避難した子供たちが、施設で影絵やペーパークラフトの飾りを創作する姿などを撮った。
オリヴィア氏は「子供は、戦火を経験しても、避難民になっても、自ら遊びを見つけクリエーティブに生きられることを伝えたかった。それは、心の中に遊び心やイマジネーションがあるからだ」と語った。
マグナム・フォトは、写真家ロバート・キャパらが1947年に創設した国際的な写真家集団。歴史に足跡を残す多くの写真家を輩出し、世界最高の写真家集団として世界各地で活動している。今回の展示には会長のクリスティーナ・デ・ミデル氏と南アフリカ出身のリンドグシェ・ソベクワ氏の作品も並んだ。
Tシャツ収益は平和のための国際機関へ
主催のユニクロは、著名人が無償でデザインしたTシャツの収益金を貧困、差別、暴力、紛争、戦争によって被害を受けた人々の支援に活用する「PEACE FOR ALL」の活動を2022年からスタート。これまでに500万着以上を販売し、収益金による寄付は15億円以上にのぼっている。寄付先は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、セーブ・ザ・チルドレン、プラン・インターナショナルの3団体。 マグナムフォトの世界11都市の展示会も「PEACE FOR ALL」の活動の一環で、ユニクロは3種類のTシャツを発表。世界各国のユニクロで販売し、収益の全額を上記3団体に寄付する。