インドにはないけど、パキスタンにはある?! 世界の肉じゃが、アジア編
ウズベキスタンの羊料理
中央アジアやトルコ、中国、北アフリカ、東欧など幅広いエリアで食べられているのが、羊肉とじゃがいものスープです。 中央アジアの料理になじみがない人は多いと思いますが、餃子や麺の発祥の地と言われる、食文化的には興味深い地域です。 最近東京の高田馬場に、ウズベキスタン料理店ができました。料理を示して選ぶカフェテリア形式のカジュアルな店で、私は麺料理のルーツと言われる「ラグマン」がお気に入りです。 中央アジアはシルクロードの経由地で、餃子や麺がここから東西に広がったのも、活発な交流があったからでしょう。 ウズベキスタンはモンゴル帝国の支配を受けましたし、中央アジア全体がロシア帝国からソ連にも組み込まれた過去がありました。 ご紹介する羊を使った肉じゃがは、ウズベキスタンで「ショルヴァ(ショルパ)」、カザフスタンで「スルパ」、キルギスで「ショルポ」と呼ばれています。 シルクロードの歴史に思いを馳せながら食べると、素朴な味わいになつかしさも覚えるかもしれません。
フィリピンの「ハロハロ」な肉じゃが
ハロハロは、フィリピン公用語のタガログ語で「ごちゃ混ぜ」といった意味です。 パフェのようなデザートを指すこともありますが、見出しはごちゃ混ぜの意味で使いました。フィリピンの肉じゃががハロハロなのは、7641もの島々で成り立つこの国に、世界各地から人が訪れたことと関係があります。 中世には中国商人やイスラム商人たちと交易し、イスラム教も広がりましたが、1571年から327年間もスペインの支配を受けてキリスト教国になりました。 1898年に米西戦争でスペインが破れ独立しますが、今度はアメリカと戦って負けたため、1902年からアメリカの植民地になり、第二次世界大戦中は日本の支配を受け、戦後に独立しました。 そんな複雑な歴史が、料理にも表れています。 ご紹介する肉じゃがの名前は「メヌード」。スペインの影響と思われるのが、最初ににんにくを炒めることやじゃがいも、ローリエ、トマトピューレを入れる点。日本や中国で一般的な醤油も入れます。 モツはフィリピン人がよく使う食材で、この料理ではレバーが入っています。