「あの子は虹の橋の見守り猫になった」 末期の慢性腎不全から驚きの回復も…21歳で逝去した愛猫を描き続けるイラストレーター
「甘ったれのお調子者で気がいい猫でした。今でも大切な存在。何かあった時には、力になってくれている気がします」 【写真】おうちに来た日…出産を控えた先住猫にも甘えるなど、当初からリラックスしていたそう 亡き愛猫・麦次郎くんへの愛をそう語るのは、イラストレーターの梶原美穂さん(@kajiyon)。 麦次郎くんは末期の腎不全から奇跡のV字復活を果たし、21歳まで生きてくれた大事な家族です。
先代猫の命日に値下げされていたシャム子猫をお迎え
出会いは、1996年9月。先代猫のお墓参りを終え、キャットフードを購入しようとペットショップに立ち寄った梶原さんは2カ月前からお店にいるシャム猫に目を奪われました。 訪れた時は、ショーケースの掃除中。その猫は小さなケージに入れられていました。出産予定がある先住猫がいるから、お迎えはできない…。そう思っていましたが、その猫はケージの隙間から手を伸ばし、梶原さんの腕を掴んできたそう。 「先代シャムの命日だったことや生後4カ月を過ぎて値下げされていたこともあり、即決し、連れ帰りました。シャムという猫種も関係していたかもしれませんが、とても小さかったです」 こうして家族になった麦次郎くんは、お迎え当初から家でリラックス。 「当時は知識がなく、先住猫の花子とすぐ対面させてしまいましたが、喧嘩などは起きませんでした。鳥かごにいたセキセイインコにも手を出さず、友好的でした」
看取りを覚悟した末期の腎不全から生還
やがて、麦次郎くんは花子ちゃんが産んだ子猫を甲斐甲斐しくお世話するように。子猫たちは、母親である花子ちゃん以上に麦次郎くんを慕いました。 「麦は、猫らしくない乱暴な遊びが大好きでした。あぐらをかいた夫が名前を呼んで膝を叩くと、あぐらでできた三角スペースにすっぽり。もみくちゃにされてから優しくポイッとされる遊びがお気に入りでした」 14歳の頃には慢性腎不全が突然悪化し、獣医師から「おうちで看取ってあげてください」と言われるまでに。 しかし、諦めきれなかった梶原さんは獣医師に相談しつつ、麦次郎くんの負担にならない範囲でサプリを与えたり、マッサージを行ったりしました。 「枇杷茶を少し入れたお湯で温めたコンニャクを布で包み、患部に枇杷の葉を敷いて乗せる“枇杷の葉コンニャク温湿布”など、良いと言われている民間療法は色々試しました」 なんとか元気になってほしい…。そんな願いが通じたのか、麦次郎くんはなんと奇跡のV字復活。体重も増え、獣医師からは「この病気でリバウンドした猫は初めてです」と笑われたそう。 「晩年には大好物であるカツオのなまりを鼻先に持っていくと、熟睡中でも一瞬で起きてペロリと平らげていました(笑)」