日銀・多角的レビュー①:多角的レビューの取りまとめは、非伝統的金融政策の効果と副作用の両論併記となるか
非伝統的金融政策を再び導入することを余儀なくされる際に役立つか
それでも、2008年のリーマンショック以降、海外の主要中央銀行が相次いで資産買い入れ策やマイナス金利政策を導入しながらも、その効果や副作用の検証を積極的に実施していないのと比べれば、それに取り組もうとする日本銀行の姿勢は一定程度評価できるだろう。 先行き、経済・金融環境が悪化し、日本銀行が再び非伝統的金融政策を採用せざるを得ない状況に追い込まれる場合に、選択肢の中からどの政策手段を選択すべきか、あるいはどのように運用すべきか、などについて判断を迫られる。その際に、今回の多角的レビューが大きなヒントをくれるとの考えを、植田総裁は持っているのではないか。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英