腸内環境を整えるには? 骨や筋肉を強化するのは? 効果的な食品を栄養士がアンサー
※この記事は、海外のサイト『Prevention』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 「You are what you eat(体は食べたものでできている)」という言い回しは、単に医師や健康の専門家が患者にヘルシーな食事をさせるための方便ではない。この言葉は真実である。体に栄養のある食べ物を与えれば、体内の機能は活発になり体も元気になる。けれどジャンクなものばかり食べていると、体内の機能は衰え、それが健康面にも表れ始める。 だからこそ、「ヘルシーな食生活を始めるのに遅すぎることはありません。どんな年齢でも食生活を変えることで、健康力を高めることができます」と、話すのは医師で『イート・トゥ・ビート・ディジーズ』の著者であるウィリアム・リー医学博士。「本当の健康管理とは、医者に行く以外の時間に行うことです。食事や生活スタイルといった日々の習慣は、元気な体の維持と病気を予防するうえで大きな違いを生みだします」 健康を維持するには、体のあらゆる部分に労力をかける必要がある。総合的な健康は、炎症の有無、心臓の強さ、腸の健康状態、骨格の丈夫さ、精神状態など、さまざまな要因の影響を受ける。しかし、食べ物を毎日摂取する薬のようなものにする方法を学ぶことで、体のサポートができる。バランスの取れた食事は日々の身体活動に必要不可欠だし、特定の栄養素は体の助けが必要な部分(少し高すぎる血圧、増強が必要な筋肉量など)を治癒するのに役立つ。そこで、食べ物をもっとも便利な健康ツールに変える方法を学んでみよう。
腸内バランスを整える
健康な腸は、最適な健康全体の土台となる。それは、体のシステムの多くが何らかの形で腸内マイクロバイオームと関連しているため。「腸内壁が健康であれば必須栄養素が吸収されやすくなるため、体がそれらを利用しやすくなります」と、女性の健康に関するポッドキャスト「フローリッシュ・ハイツ」のホストで栄養士のヴァレリー・アジェマンさんは説明する。 免疫システムの70%が腸内に生息している。これをすごいことだと思う人は、脳腸相関に興味があるかもしれない。腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスを維持すると認知機能やメンタルヘルスにいい影響を及ぼすように、脳腸相関は基本的にこの二つを結びつける健康の高速道路のようなものです、とアジェマンさんは話す。腸は、月経周期や更年期に影響を与えるホルモンを調整する役割も担っている。 逆に腸内細菌のバランスが崩れると、有害な菌が優位になって炎症を抑えるのが難しくなり、免疫力などに影響を及ぼすことで、過敏性腸症候群、便秘、胸焼け、下痢、膨満感など、胃腸の問題につながる恐れがある。だからこそ、理想的なマイクロバイオーム構成の実現に役立つ食品を摂取することが重要なのである。 おすすめの食品: ・プロバイオティクス食品:プロバイオティクスには、腸内の善玉菌を増やす効果がある。ヨーグルト、ケフィア、キムチやコンブチャなどの発酵食品がおすすめ。すべてのヨーグルトにプロバイオティクスが含まれているわけではないので、食品表示ラベルをよく確認すること。生きたプロバイオティクスが含まれることを示す「ライブ・アンド・カルチャーズ(LAC)」シールがあるものや、特定のプロバイオティクス株(よくあるのはサーモフィラス菌とブルガリア菌)名が記載されているものを探してみよう。 ・プレバイオティクス食品:難消化性食物繊維が特徴のプレバイオティクス食品は、腸内善玉菌の餌となる。にんにく、たまねぎ、バナナ、アスパラガス、ハチミツなどに含まれている。 ・食物繊維を含む食品:この栄養素は、定期的なお通じと便のカサを増やして効率的に消化管を通過するのに不可欠です、と語るアジェマンさん。野菜や果物、ナッツとシード類、豆類、全粒穀物は、食物繊維の優れた供給源。