RIZINワンナイトTMで皇治は”口だけ男”を返上できるのか…ロープ登り100回&腹筋2000回の過酷メニューを4か月
土居トレーナーは、「潰す気」でハードメニューを課したが、皇治は音を上げなかった。 「体の地が強いんですよ。それにああいう性格だから周りから体が変わったね、強くなったねと言われると、どんどん、その気になったんです(笑)」 肉体改造の成果は実戦でも出始めた。 「スパーリングでも前に出れるようになってバンバン倒している。僕は天才ではないので連動性がなかったが、体の動きに連動性が出てきた。全身トレーニングのおかげ」と皇治。 ただ、土居トレーナーが満足している部分は、そこではない。 「こういう体を作ろうとしたわけではないが、そうなった。それだけ何もやっていなかったこと(笑)。被弾に対する耐久力、トーナメントの2試合を楽に戦い抜く持久力、そしてパワーもついたが、今回のトレーニングの目標はそこではない。こんなにも苦しいトレーニングを4か月間やりきったという達成感。自信ですね」 皇治も、先日の公開練習でこんな話をしていた。 「天心、五味と試合をしたときは天狗になっていた。これだけの金を持って調子にのっていた。これでは戦う資格がない。勝つ、負けるより強くならならい。ハングリーになりむちゃくちゃ練習するようになった。これまでと危機感が違う。自分が楽しみだし、32歳でも強くなれることを見せたい。オレは不可能がない、と言い続けている。それを結果として見せたい」 土居トレーナーから、この4か月の練習内容を聞くと皇治のコメントにも真実味が増す。 では、変貌を遂げた皇治は勝てるのか? 1回戦の梅野はムエタイの2殿堂のひとつラジャダムナン・スタジアムでタイトルを奪った実力者。日本ムエタイ界の至宝と呼ばれる。RIZINは初参戦だが、RISEのリングに立つなどムエタイとは違う肘打ちなしなどのキックルールにも順応できている。 その1回戦を突破したとしても、白鳥大珠(25)と高橋亮(25、真門ジム)の勝者が決勝で待つ。白鳥は那須川と同じTEAM TEPPEN所属。八王子中屋ジムでプロボクサーとしてボクシングのリングに立ったこともある。181センチの長身で、2019年にはRISE WORLD SERIESで優勝している。 土居トレーナーも厳しい見方をしている。 「今回の出場選手の実績は、ほぼ全員が皇治君よりも上。今までの皇治君なら優勝は無理です(笑)。1回戦の梅野選手にしても格闘技を良く知っている人なら皇治君が負けると予想するのが当たり前でしょう。白鳥選手も階級が上の選手です」 だが「秘策はある」という。 「今は明かせませんが、チャンスも戦略もあります。ポイントは精神力ですよ」 皇治も真面目に語っていた。 「秘策? 根性ですよ」 皇治は第4試合で梅野と1回戦を戦い、勝ち上れば白鳥と高橋の勝者と第13試合のメインイベントで優勝をかけて戦うことになる。 皇治が絶大なる人気を持つ地元大阪での「他の3人は脇役」と豪語する“皇治が主役”のトーナメント。梅野を「ひょっとこ」、白鳥を「天心のカバン持ち」と試合前の前哨戦でディスり続けてきたビッグマウスは、前日のメディアインタビューで「自分は楽勝で勝つつもり。どんな形であれ。必ず優勝すると決めていること」と優勝を宣言している。”口だけ男”の返上は果たして…。