RIZINワンナイトTMで皇治は”口だけ男”を返上できるのか…ロープ登り100回&腹筋2000回の過酷メニューを4か月
何から何まで人任せ。「甘さ」を痛感したからだ。 「本当に強くなる気があるの?スポンサーの企業で働いている社員の方が負け続けているファイターを応援し続けることをどう思いますか。あなたのスタッフの人生もかかっています。本気でやる気がないなら僕はもうあなたとは組めません」 皇治は「自分の考えが甘かった。本気で強くなりたい。お願いします」と即答したという。皇治は、新ジムの2階にトレーニング機器一式を揃えたが、土居トレーナーがリクエストしたのは天井からぶら下げるロープ1本だけだった。 そこから過酷なトレーニングがスタートした。 土居が毎日のノルマとして課したのは、ジムに設置させたロープ登り100回と腹筋2000回という痛烈なものだった。腹筋は5種目。しかも、これは土居のパーソナルトレーニング以外の時間に自主的に行うメニュー。プラスして週に4度、約1時間のトレーニングを行った。メディシンボール以外の器具を一切使わない自重トレーニング。各種のスクワットや、ジャンプ、ステップ、ロープ登りなどを交えたサーキットトレーニングだ。そこに手を変え、品を変え、腹筋、背筋などの自重を使ったフィジカルメニューが加わる。 魔裟斗や内山のときは、まずデータを取り「何が足りないか」「どこを強化するか」を科学的にあぶりだしてトレーニングメニューを組んだが、皇治は、その前段階だった。 だから「強化は下半身から全身。言ってみれば潰すメニュー(笑)。できないと思うことをとことんやり続けてできるようになること。限界までやれるかどうか」をつきつめた。 週に1度は、公園でのラントレ。そのメニューのひとつが「1キロダッシュを5本」というハードなもので、最初は5分を切れなかったが、今では4分台で走れるようになった。 ロープ登りも、皇治自身が、「はじめは1回も登ることができなかった」と振り返るが、そのうちコツをつかみはじめた。 「ロープ登りは、握力強化だけでなく全身を使うので体の使い方を覚える」と土居トレーナー。 加えて、ロープ登りには前腕を強化する効果がある。 土居トレーナーが内山氏のパンチ力の原因を探ったことがあるが、人より優れていたのが、背筋と前腕の異様な太さだった。ハンマーのように拳に近い部分の筋肉が大きいとパンチ力が増すのだろう。皇治の前腕もみるみる太くなった。 土居トレーナーは同時に食事や私生活の節制も求めた。 写真週刊誌に焼肉デートを激写されたが、あれはたまたま練習が休みの日を狙われたもので、毎日、何を食べたかを土居トレーナーに報告することになっている。 「これまでは試合前に酒も飲み、女の子と遊んでいたがそれもしていない」と、禁酒&禁遊びを宣言していたが、それは偽りではなかった。