【大学トレンド】医学部のキャンパス移転、なぜ増えた? 看護学部と一緒に授業も
医学部のキャンパスを移転する動きが、全国各地で増えています。総合大学の医学部や歯学部は、他学部とキャンパスが離れていることが少なくありません。これは、附属病院が設置されていることが理由に挙げられます。なぜ最近、医学部のキャンパス移転が多くなっているのでしょうか。移転は、どのようにすすめられて、どんなことを目指しているのでしょうか。 【写真】琉球大学が建設中の「西普天間キャンパス」(完成予想図)
岩手医科大学は、2019年に医学部、歯学部、薬学部、看護学部、附属病院の全面移転が完了しました。盛岡市の中心部にあった旧キャンパスから約10km離れた岩手県矢巾町に移転し、「メディカルキャンパスタウン」として、フードコートやカフェ、銀行、コンビニなどが入った店舗や薬局、ホテル、保育園などを併せて整備。移転によってにぎやかな街づくりを実現しました。 25年に医学部と病院の移転を予定しているのが、琉球大学です。 25年1月に琉球大学病院、同4月に医学部が、現在のキャンパスから約5.5km北に建設中の新キャンパス西普天間キャンパス」(宜野湾市)に移転します。 医学部及び病院では、「国際化」「人材育成」「先端研究・産業振興」「医療水準の向上」を移転構想の柱とし、沖縄健康医療拠点の中核として、沖縄振興や長寿県沖縄の復活、国際保健(グローバル・ヘルス)への貢献を目指します。 新キャンパスは東シナ海を一望できる環境で、付近には住宅街や飲食店、スーパー・コンビニエンスストア等も集約される予定です。またバス停等も整備し、公共交通機関でもアクセスしやすくなるよう検討しています。 近畿大学は、25年11月に医学部と病院の移転を予定しています。移転先は、大阪狭山キャンパスから約4km離れた、大阪府堺市の泉北高速鉄道・泉ケ丘駅前です。大阪狭山キャンパスは最寄り駅からバスで15分ほどでしたが、新キャンパスは駅からのアクセスがよく、駅から続く屋根つきの歩行者専用デッキを通って、講義棟までたどり着くことができます。