畑のヒマワリにはワケがあった。土を肥やすだけでなく、花まで楽しめる緑肥作物【やさいの時間10・11月号こぼれ話】
『やさいの時間』10・11月号に掲載されている「里山菜園 有機のチカラ」の《緑肥の秋冬活用術》では、畑を肥やすために栽培する緑肥作物について紹介しました。 緑肥(りょくひ)とは、腐る前に土に戻しそこで分解させて、あとに育てる野菜の肥料にする植物です。自然の山野草を使うこともありますが、緑肥に使うために育てる品種を「緑肥作物」と呼んでいます。 じつは緑肥作物には、色鮮やかな花をつけるものも多くあるんです。今回の「こぼれ話」では、そんな見て美しい花が咲く緑肥作物をチェック! 野菜と一緒に花も楽しめる菜園を目指してみませんか。
花も楽しめる緑肥作物5種
ヘアリーベッチ、クローバー類は、緑肥本来の土を肥やすなどの効果に加えて、花粉や蜜が野菜に有益な昆虫を呼び寄せ、天敵を増やす効果も期待できます。 また、春に深紅のイチゴのような形をした花を咲かせるクリムソンクローバーや、夏のヒマワリとマリーゴールドの黄色い花は、ひときわ目を引きます。 畑の土を豊かにするだけでなく、花も楽しめる、一石二鳥の緑肥作物を紹介します。
ヒマワリ(キク科) 初夏~夏にタネをまきます。花の時期は夏です。 AM菌(アーバスキュラー菌根菌)の密度を高め、栄養分を集める効果。
マリーゴールド(キク科) 初夏~夏にタネをまきます。花の時期は夏です。 有害センチュウの密度抑制、ミナミキイロアザミウマの忌避効果。
クリムソンクローバー(マメ科) 春と秋の2回、タネまきができますが、耐寒性がやや弱いので暖地と中間地の秋まきに適します。秋にタネまきすると春に花が咲きます。寒冷地の秋まきには利用できません。 チッ素固定、土壌肥沃化。
赤クローバー(マメ科) 春と秋の2回、タネまきができますが、耐暑性が弱いので暖地では秋まきに利用します。寒冷地では春から夏まきに利用します。 チッ素を固定、土壌肥沃化。
ヘアリーベッチ(マメ科) 春と秋の2回、タネまきができますが、秋まきがおすすめで、春には紫色の花が咲き、開花後は自然に枯れ敷きワラ状になり抑草効果を発揮します。 雑草抑制、チッ素固定、土壌肥沃化。