東京との土地価格の違いは100倍近く…北海道・東川町で感じた、広い庭のある暮らしの醍醐味
長きにわたる東京での編集生活を経て、約2年前に北海道にある東川町との二拠点生活をスタートした下田結花が、都会とローカル両方の暮らしを過ごすなかで感じた二拠点生活の魅力をお伝えします。 【写真集】「住みたい場所に住む」という自由。二拠点生活のなかで感じること 目前に大きな庭が広がる東川の家。庭があることで、暮らしが大きく変化しました。自然の営みを身近に感じることのできる「庭」についてお話します。 【Profile】 下田結花/Yuka Shimoda 旧婦人画報社(現ハースト婦人画報社)入社後、書籍編集部、『ヴァンテーヌ』編集部を経て、2003~16年までラグジュアリー住宅誌『モダンリビング』編集長。2016年4月よりパブリッシャー(発行人)に就任。自身も「暮らしは日常のプロジェクト」と日々を楽しみ、SNS・セミナー・講演などを通してその考え方を発信。著書に『心地よく暮らす インテリアの小さなアイデア109』(講談社)。 Instagram: @yuka_shimoda
都会とは違う土地の広さ
私にとって、東京と北海道・東川の2拠点生活での最も大きな違いは、庭があることです。東京のマンションでも、ベランダの鉢植えでハーブを育てたりはしていましたが、それとは全く違う暮らしがここにはあります。 敷地は350坪。この広さは都心ではとても望めません。その先に広がる田んぼや山や林。この景色も含めて、庭の一部となっています。 二拠点生活といっても、場所によって条件は大きく違うと思いますが、地方であれば、東京と土地の価格が大きく違うでしょう。都会に住むか、田舎に住むかを考える時、生涯年収の何%を住居費に充てるか、という問題だと気づきました。 実際、私の東京の家の周辺の土地価格と、東川では100倍近く違います。このことは、その土地代の差額を何にかけるか、ということにも繋がるわけです。
木や果樹があることでの豊かさ
ここは、もともと農家さんの家があった場所で、敷地のほとんどは畑として使われていました。ですから、土はとてもよく肥えており、何を植えても育ちます。こちらでは、ミニトマトやルッコラ、ハーブの苗を植える程度ですが、それでも夏の間、朝、摘んだ野菜で新鮮なサラダを楽しめます。 また、農家さんが自宅用にと植えていた果樹もたくさんあります。梨、ギンナン、サクランボ、ブルーベリー、ブドウ。 銀杏の木の下にはイチゴの苗もあり、6月から10月まで多くの恵みを与えてくれます。それはまさに自然からのギフトです。 木はその季節によって姿を変えます。常緑のものもありますが、桜やモクレンは、新緑、紅葉、枝に雪、と同じ木とは思えないほどです。