三浦春馬さん四十九日を過ぎ、あらためて振り返る役者としての足跡
新垣結衣と共演の映画「恋空」が大ヒット
その勢いに乗ったかのように順調にキャリアを重ね、新垣結衣と共演した07年公開の映画「恋空」では第31回日本アカデミー賞新人俳優賞に輝いている。実体験に基づいた美嘉氏作のケータイ小説を原作にした映画で、三浦さんは新垣演じる平凡な女子高生・美嘉の同級生で交際相手となるヒロを演じた。作品は10代・20代の若者層を中心に大ヒットし、週末は入場できない劇場やパンフレットが完売するといった人気を博した。また08年には「ブラッディ・マンデイ」(TBS系)で初の連ドラ単独主演も果たした。18歳の三浦さんが演じた正体不明のカリスマハッカー“ファルコン”のかっこよさは、いまなお語り継がれている。 ほかにも小栗旬の連ドラ初主演作「貧乏男子 ボンビーメン」(日本テレビ系)や仲間由紀恵主演で人気を博した「ごくせん」(日本テレビ系)の第3シリーズなどに出演し、09年には「サムライ・ハイスクール」(日本テレビ系)から翌10年の「ブラッディ・マンデイ Season2」(TBS系)と連ドラ主演が2クール続くなど出演作が絶えない状況となっていった。また09年、岸谷五朗と寺脇康文の企画ユニット・地球ゴージャスによる舞台「星の大地に降る涙」で舞台初出演を果たしている。
ミュージカル「キンキーブーツ」特別映像の公開が決定
10代のうちにすでに成功を収めた三浦さんだが、俳優としての道はまだまだこれから。2011年、20代の三浦さんは生徒役ではなく教師役として戸田恵梨香と共演した「大切なことはすべて君が教えてくれた」でフジテレビの“月9”初主演。佐藤浩市主演の連ドラ「陽はまた昇る」(テレビ朝日系)の制作発表会見ではさわやかな短髪制服姿が話題を呼んだが、ドラマでは警察学校の訓練生役で確かな存在感を発揮していた。13年には「ラスト・シンデレラ」(フジテレビ系)で篠原涼子演じるヒロインの恋人で年下の肉食系男子を好演して話題になったほか、みずから企画提案した「僕のいた時間」(フジテレビ系)では、筋肉が徐々に衰え呼吸困難に陥る難病・ALS(筋萎縮性側索硬化症)と闘う主人公を熱演し第51回ギャラクシー賞個人賞を受賞。岡田准一主演の映画「永遠の0」では第38回日本アカデミー賞優秀助演男優賞に輝いた。積み重ねた努力によって才能が開花していく。 そして2016年、ミュージカル「キンキーブーツ」にドラァグクイーンのローラ役で主演、第24回読売演劇大賞優秀男優賞と杉村春子賞を受賞した。同作は三浦さんの舞台作品の中でもとくに人気が高く、映像化を求めファンらが署名活動を展開、権利の問題で全編映像化は叶わなかったがブロードウェイサイドの厚意で15分程度の特別映像の後日公開が決まったばかりだ。