階戸瑠李さん31歳で死去「半沢直樹」も好評の矢先 8年前の舞台でもひときわ輝く存在感
女優・階戸瑠李(しなと・るり)さん(享年31)が28日に亡くなっていたことがわかった。31日、所属事務所が発表した。持病によるもので、病名や死因については公表しない。階戸さんは人気ドラマ「半沢直樹」(TBS系)16日放送の第5話に半沢を陥れる丸岡商工の社員役で出演したばかり。
「半沢直樹」ではワンシーンで視聴者の注目集める
所属事務所は公式サイトに「訃報」として関係者およびファンに向け階戸さんが亡くなったことを以下の通り報告している。 「階戸瑠李を応援してくださった全ての皆様にご報告申し上げます。弊社所属の女優 階戸瑠李(享年31)が、2020年8月28日、持病により急逝いたしました。弊社といたしましても、あまりにも突然の訃報に接し現実を受け入れ難く、とても残念でなりません。皆様におかれましては、これまで階戸瑠李を温かく見守ってくださいましたこと心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございます。葬儀、告別式に関しましては、ご遺族のご意向にてご親族のみで執り行わせて頂きます。故人への生前の厚誼に深く感謝するとともに、謹んでお知らせ申し上げます。尚、マスコミの皆さまにおかれましては、ご親族への取材や、憶測での記事掲載などはご遠慮くださいますよう、切にお願い申し上げます」 階戸さんは1988年に北海道で生まれまもなく石川県に移住、同県で育った。上智大学文学部ドイツ文学科を卒業。芸能界入り後はグラビアアイドル、女優として活動した。2013年には「ミスFLASH」でグランプリ受賞もしている。 16日に放送された「半沢直樹」第5話では、雑居ビル内にある丸岡商工なるあやしげな会社でひとり留守番している社員役で登場。半沢(堺雅人)が訪問してきてもやる気のない様子で、そのうえ社長の居場所も簡単に教えてしまう。その演技はワンシーンながらネット上で反響を呼んだ。
女優としての輝きを持っていた階戸さん
筆者は階戸さんがミスFLASHに輝く以前、何度か取材したことがあるが、多くの若手女優・アイドルらがキャスティングされたガールズ演劇でもひときわ光る美しさと魅力を持つ人だったのが鮮烈に印象に残っている。 2012年に上演された「戦国降臨GIRL」(演出:松多壱岱)は階戸さんにとって初舞台となったが、織田信長役を好演。史実に基づく時代劇ではなく少女たちに戦国武将たちが降臨するというアイドル活劇なので、同舞台独自の解釈による信長ではあったが、降臨してくる武将の中で最強の存在。グラビアでしっかりした表現力を身に着けていた階戸さんは華やかな衣装にも役柄にも負けずに自分の色を出していた。当時の記事を振り返ると「見事だ。こんなに色っぽくて美しい信長、前代未聞。その美しさたるや、戦場に咲いた一輪の花のごとし」と書かれている。 その後、舞台や映画などで女優としてのキャリアを重ねた階戸さんだが、今後も順調に出演作が控え、より多くの人々に親しまれる女優になっていくものと期待あふれる状況だった。そんな矢先、突然のお別れとなってしまった。ネット上には階戸さんを悼む声がファンをはじめ共演者らから寄せられている。 (写真・文:志和浩司)