パートも収入アップ!第3の賃上げから正社員並み待遇まで家計にうれしい企業の取り組み事例
物価高で誰もが苦しく、勤め先の会社による賃上げもあまり期待できない昨今、夫婦共働きでできるだけ世帯収入を増やしたいと考える世帯もあるのではないだろうか。中には、夫の扶養内で働くために年収を押さえるべくパートやアルバイトとして働く妻もいるだろう。一般的にパートやアルバイトは、正社員と比べて賃上げ対象になることは少ないが、企業によってはパート従業員であるからこそあえて待遇を良くしているケースもある。 【グラフ】金融のプロ190人が選んだ「最低限入っておくべき保険」ランキング そこで今回は、パートとして働いている主婦が賃上げや待遇改善によって得したリアルな声を紹介する。
食事補助による「第3の賃上げ」でパート主婦が得した事例
定期昇給や給与のベースアップではなく、福利厚生で実質的賃上げを行う「第3の賃上げ」が広まりつつある。食事や住宅などの補助を行うことで、従業員の手取り額が増える上に、企業にとっては税負担も減るため注目を集めている。 そんな第3の賃上げは、福利厚生を利用するため、どうしても正社員に偏りがちだが、パート従業員に対する食事補助などの導入も進んでいる。その一例が、部品検査を行う株式会社サニクロだ。 同社はフィルター製品の目視検査を中心に、主にパート従業員を採用して業務を行っている。 「従業員が一番」との考えのもと、パート従業員の給料を少しでも上げたいという思いがあったが、従業員には扶養控除の壁があることから、食事補助という別の形で、利益を還元する仕組みを作った。 導入したのは、食事補助サービスの「チケットレストラン」。ICカードを利用した食事補助サービスで、企業が福利厚生で食費を半額補助するため、従業員は飲食店やコンビニなどでのランチ代が実質半額で利用できる。 フルタイムパート従業員の清水瑠美氏は、チケットレストランがコンビニのお弁当代などに充てられるようになってから、どんなメリットが得られているのか。 「手元に残るお金が増え、自分の食事にかかる食費が抑えられていると実感しています。頑張った自分へのご褒美として、コンビニの少しお高めな新作スイーツも半額感覚で購入できます。また、毎日のお弁当作りから解放され、お弁当作りの時間に充てていた時間の分だけ早く出勤できるようになり、勤務時間が増えたことでお給料も増えました」 食事補助は給料アップによる賃上げと比べてどんな利点があるだろうか。パート従業員の小林みずき氏は次のように話した。 「給料アップによる賃上げは、夫の扶養の枠を気にしなければなりませんが、チケットレストランの支給に関してはその点を気にせず利用できる上に、食事という日々の生活に直結した部分をサポートしてもらっているので、扶養内で働く主婦にとって、とても力強い味方です」 実質手取りが増えることで、共働き世帯の収入アップにつながるのであれば、よりメリットが大きいだろう。中小企業も導入しやすい賃上げ方法として、今後も各所で採用されていくだろう。