井岡一翔、マルティネスとのダイレクトリマッチで王座返り咲きに自信 「勝てない選手ではない。再戦をすれば勝てる」
プロボクシングの前WBA世界スーパーフライ級王者で、現同級6位の井岡一翔(35)=志成=が14日、東京・目黒区の志成ジムで、初防衛を目指す王者のフェルナンド・マルティネス(33)=アルゼンチン=とのダイレクトリマッチ(31日、東京・大田区総合体育館)に向けた練習を公開。リベンジしての王座返り咲きに自信を見せた。 井岡はいつも通りに軽めの丁寧なシャドーボクシングを1ラウンド披露しただけだったが、公開練習前の会見では笑顔を見せるなどリラックスしていた。 「良い状態でこられている。(前回は)幅広く闘えなかった。攻め込み過ぎた。ワンパターンになりすぎた。前回とは違った闘い方を見せられるんじゃないか」 7月7日にIBF王者だったマルティネスと王座統一戦を闘い、0-3の12回判定負け。2度目の防衛に失敗して王座から陥落した。前戦から約1カ月半は家族と海外旅行をするなど完全休養し、その後にロードワークやピラティス、フィジカルトレーニングを、10月中旬にジムワーク、同下旬に短いラウンドのスパーリングを再開した。 11月中旬にはメキシコから有望な若手選手を2人招聘(しょうへい)し、約1カ月間のスパーリングをこなしてきた。約90ラウンド拳を交え「充実したスパーリングができましたし、自分自身もすごく手応えのある、いい練習ができたと思います」とうなずいた。 2022年大みそかのWBO、WBA世界同級王座統一戦(大田区総合体育館)から5戦連続で自身のファイトマネーから15歳以下の子供と保護者の50組100人を招待している。2児の父でもある井岡は「挑戦して何か目標を達成することを伝えたい。それ以上にその過程だったり、行動がより人生において大切なことだと思うので、次戦はそういうのを見ている子供たちに、次の世代に伝えたい」と決意を示した。 プロでの過去3度の再戦ではすべて最初の対戦を上回る好内容で勝利。再戦に強い元世界4階級制覇王者は「勝てない選手ではない。リベンジして、必ず結果でそれを証明したい。今作られている闘い方で再戦をすれば勝てると思っています」。13度目の大みそかのリングで、王座返り咲きを果たす。 セミファイナルでは前東洋太平洋フェザー級王者で、WBA世界スーパーフェザー級9位の堤駿斗(はやと、25)=志成=が、元WBA世界同級王者で、現同級14位のレネ・アルバラード(35)=ニカラグア=とWBA世界同級挑戦者決定戦を闘う。4月の前戦の前日計量で1・55キロ体重超過し、6カ月のライセンス停止処分を受けてからの復帰戦となる。
興行はインターネットテレビのABEMAが午後3時から独占無料生配信する。プロ戦績は井岡が35戦31勝(16KO)3敗1分け、マルティネスが17戦17勝(9KO)、堤が5戦5勝(2KO)、アルバラードが48戦34勝(22KO)14敗。(尾﨑陽介)