【赤裸々に語る】『全てを彼から学んだ』元検事正からの性加害訴える女性検事が激白「何度も殺された」 検察トップの犯行は「検察組織の土壌が作り上げたもの」「私は検事の仕事をしたいだけなのに…」(単独インタビュー全文掲載=後編=)
■「自分も検事になりたい」幼い子どもに「申し訳ない」
Q 子どもはまだ幼いとおっしゃっていたが、話を聞く中で傍にいて察している感じていることがあるようにも思った。どのような言葉をかけられるのか。 A 私は仕事を始めてから、ずっと毎日忙しくしていましたので、夫と2人で子どもを育てながら、時折母にも手伝ってもらっていましたが、週に何日かは子どもが寝た後にしか帰れないような、夜中に帰っていたので、子どもがママがいないことをずっと寂しがっていました。なので幼い頃は、私が夜中に仕事から帰ったら、机の上にちぎったような紙に「ママおかえり 夜遅くまで仕事ありがとう 帰ってきたら ぎゅーしてね 起きたら ぎゅーして ちゅーしてね そしたら にこりです」と、拙い文字で書いて絵も描いてくれて置いてくれていた。 私が北川被告から被害を受けて、心労・過労が重なって、肺炎になって入院したのですが、その時はお見舞いに来てくれたら泣いて泣いて。「ママが死んじゃう」と言って、そんな思いまでさせて、寂しい思いをずっとさせて、検事の仕事を続けてきましたし、それでも、子どもは「ママが検事というのがかっこいい」と言って、一度自分の裁判も傍聴に来てくれた。「自分も検事になりたい」と言っていた。なのに、こんなことになってしまって、子どもにも申し訳ないし、子どももすごく困惑していると思います。 Q 改めて、北川被告、検察庁、そして司法全体に訴えたいことは。 A 北川被告に対しては、彼が検事を志したときの気持ちを、もう一度思い起こしてほしいと思います。被害者に寄り添い、犯罪者を適正に処罰するために検事になったはずですから、そのときの気持ちをもう一度思い出してもらって、北川被告が傷つけた被害者である私に対して真摯な謝罪を求めたいです。 また、北川被告に対して適正な処罰を求めたいです。そうすることで、性犯罪がいかに許されない犯罪であるかということを世間に知っていただいて、こういう犯罪をしないという世の中にしていきたい。そういうことに尽力できたらと思っています。 検察庁は組織の保身に走らず、本来守るべき犯罪被害者や、身を粉にして働いている一人一人の職員を正しく守る行動をしてほしいと思います。特に、最高検や上位幹部の人たちは、一人一人の職員のことを、きちんと正しく守ってほしいと思います。 (おわり) ※1月4日に配信した前編では、女性検事が赤裸々に語った「若い頃に抱いていた元検事正への尊敬の念」と、謝罪から一転して「無罪主張に転じた被告への率直な思い」をお伝えしています。