ベイスターズの逆転CS進出、優勝の可能性は? 野村弘樹が好調の理由と今後の展望を分析
── 東投手は今季もすばらしい内容のピッチングを見せています。勝ち星もさることながら、32試合連続クオリティスタート(QS)は、数字だけでなくさまざまな形でチームに貢献しています。 野村 東の今季の活躍は、2月から予感していたんですよ。キャンプ初日に会った時、彼の言葉を聞いて「今年もやるな」と思いました。 ── どんな言葉だったのですか。 野村 「去年は頑張らなきゃいけいと思ってやっていました。でも今年は、去年と違って責任感がありますから」と。意識の変化ですよね。頑張る立場から、やるべき立場に変わった。それを自覚したというのは、ピッチャーとして大きなことだったと思います。当然といえば当然の立場ですが、東が計算できるから、ほかの投手にも好影響を与えていることは間違いありませんね。 ── 抑えの森原康平投手が安定しているだけに、そこまでどうつなぐか。7、8回を任せるリリーフも失敗が許されませんね。 野村 そこは打線がカバーして、リリーフ陣への負担を軽減できるかどうかですね。今は打線のつながりがよく、打席に臨む姿からも気迫が感じられます。ただ本拠地からビジターになることで、流れが変わる可能性がある。相手や球場が変わっても、自分たちのペースで試合をできるのかどうか。そういった戦いを続けていかなくてはいけません。 【カギを握る1、2番の出塁】 ── 打線は、主軸が揃って好調なのは心強いです。とくに、ケガから復帰したタイラー・オースティン選手が重要な場面で得点源となっています。 野村 中軸打線の充実ぶりはリーグトップでしょう。それだけに打線でカギを握るのは、梶原昂希、蝦名達夫の1、2番です。梶原はオープン戦での好調さを見て、「今季は面白い存在になるかも」と感じた選手のひとりです。梶原のいいところは、柔らかさというかハンドリングのよさ。身長があって、打球も飛ぶ。あとは意識の問題かなと思っていました。「打ちたい」という気持ちが強すぎると、ボール球に手を出したり、バランスを崩してしまいます。言い換えれば、「打ちたい」という意識が過剰にならなかったら、結果を出すかなと思っていました。一時期、調子を落としてファームに行きましたが、再昇格してから良くなっているので、ファームで何かを教わったのか、それとも何をつかんだのか。いずれにしても、力みがなくなったような気がします。