《強い日差しで大ダメージ》「女性の薄毛」を予防する「食品」と「習慣」ランキング、美と健康のプロ10人が回答
髪の原材料はたんぱく質と亜鉛
髪はいわば体の“末端組織”。内臓や筋肉とは違い、食べたものの栄養はいちばん最後に回ってくる。だが、だからこそ、食生活が悪化すると髪に影響が出ることが多い。管理栄養士の菊池真由子さんが言う。 「“○○を食べればすぐに髪が増える”という食品はありませんが、髪の“原材料”は『ケラチン』というたんぱく質なので、これが不足すればすぐに影響が出てきます。事実、菜食主義者や“お酒が好きでおつまみが食事の代わり”といった生活をしている人は薄毛になりやすい。 たんぱく質は高齢になるほど不足しやすいので、忙しくてコンビニで済ませなければならないときも、サラダチキンやゆで卵をプラスして、できるだけたんぱく質を摂ることを意識してください」 ランキング内でも「鶏肉」(5位)や「卵」(7位)など、手軽にたんぱく質を摂取できる食品が評価されている。 「鶏肉はたんぱく質だけでなく、抜け毛を防ぐビオチンも摂ることができます。ケラチンの合成を促し、同時に血管を拡張して毛母細胞に栄養を届きやすくしてくれます」(田中さん) 実際に今回、食品でダントツの票数を獲得したのは、たんぱく質が豊富な「大豆製品」だった。管理栄養士で料理家の磯村優貴恵さんは、大豆製品の中でも豆乳や納豆をすすめる。 「どちらも手軽にたんぱく質を摂れるうえ、女性ホルモンに似た作用で更年期以降の薄毛予防に効果が期待できるとされる大豆イソフラボンも豊富に含まれています」 医学博士で健康科学アドバイザーの福田千晶さんも言い添える。 「大豆製品の『大豆サポニン』『ビタミンE』には血流を改善する作用があり、髪に栄養を届けやすくする効果が期待できます」 続いて2位にランクインしたのは、たんぱく質だけでなく亜鉛などのミネラルも豊富な「牡蠣」。 「ハリとコシのある美しい髪を育むには、頭皮の新陳代謝を促す亜鉛が欠かせません。牡蠣は“海のミルク”ともいわれるほど栄養バランスがよく、鉄分やビタミンB12も豊富です」(磯村さん) 4位の「レバー」も、牡蠣と同じく亜鉛とたんぱく質が多い。 「どんな調理法でもかまいませんが、牛レバーよりも鶏と豚の方が亜鉛は多い。レバーはコレステロールが気になるという人もいますが、食べ物から摂ったコレステロールは血中コレステロール値に直結しないので、安心して食べてほしい。初夏のメニューに取り入れやすいうなぎやそら豆も亜鉛が豊富です。またランク外ではありますが、亜鉛、ビタミン、たんぱく質をまんべんなく摂れるたらこも、意外な“髪の万能食材”です」(菊池さん・以下同) 6位に食い込んだ「ナッツ」もミネラルが豊富な食材。 「特におすすめなのはカシューナッツです。亜鉛だけでなく、白髪予防に効果的な銅も摂ることができるのがポイントです」 亜鉛とたんぱく質だけでなく、良質な脂質も、美しい髪には欠かせない。3位の「青魚」は、DHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸が豊富。管理栄養士の中沢るみさんが説明する。 「オメガ3系の油は血流を改善し、髪の末端まで栄養を届けやすくする効果が期待できます。中でもいわしは毛母細胞を活性化するビタミンB2や、育毛を助けるビタミンB6が多く、特におすすめです」 美しい髪を育てるイメージが強いわかめなどの「海藻類」は、意外にも11位。 「わかめが髪にいいといわれるのは、髪の成長を促すヨウ素が含まれているから。しかし、いくら海藻類を食べても、髪の“原材料”のたんぱく質や、細胞の働きを助ける亜鉛、ビタミンがなければ意味がありません。できるだけ1日に食べる品目数を増やし、バランスよく食べることが、健康で若々しい髪をつくる秘訣だと心がけてください」(菊池さん) 髪が伸びる速度は、3日で1mm。すぐに効果が出ないからこそ、毎日の食事と生活習慣でコツコツと取り組みたい。