「学歴は本当にオワコンか?」日本人エリートの致命的な“弱点” 学歴に胡坐をかいて“学び”を忘れた人があまりに多い現実
一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人以上の話し方を変えてきた岡本純子氏。 たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれている。 その岡本氏の著作『世界最高の話し方』シリーズは累計20万部のベストセラーとなっているが、その「真骨頂」ともいえる「人前での話し方のスキル」をまとめた新刊『なぜか好かれる「人前での話し方」』がついに発売された。 【話題の書籍】1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた「伝説の家庭教師」岡本純子氏が「人前での話し方」の世界最高スキルを解説した新刊
コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「人前での話し方」を切り口に「学歴はオワコンか」について解説する。 ■「学歴オワコン説」は本当? 過激な発言で知られるホリエモンこと、堀江貴文氏が唱える説のひとつに「学歴オワコン説」があります。 あるネット番組で彼は、 「今、京大なんか通ってるヤツって本当にバカなのね」 「今の時代に大学行くのはマジでバカよ。こんなSNSが発達している時代に、わざわざ金をかけてくだらない学問を学びにいくわけよ。バカみたいな教授いっぱいいるでしょ、本当にバカだと思うよ」
「学はネットで身につけんだよ」 と発言していました。 彼らしい極論ではありましたが、私はこの内容に、深く共感してしまいました。 それは、私が、日本の「トップエクゼクティブの話し方の家庭教師」として、日本のエリートたちの「もろさ」や「弱み」を日々、目の当たりにしているからにほかなりません。 必死になって受験戦争を勝ち抜き、一流大学を卒業し、超一流企業に勤めること。これが、日本人の典型的な「勝ち筋」とされてきました。
私はそうしたいわゆる「勝ち組」たちに、グローバル水準のコミュニケーションを教えていますが、常々、エリートらしからぬ、いえ、エリートゆえのコミュ力の脆弱さ、弱点に気づかされます。 ■「人前での話し方を学ぶ」場も機会もない 雑談や会話から、プレゼンやスピーチなど「人前での話し方」、子どもや部下のほめ方、しかり方まで、コミュニケーションのスキルは多岐にわたります。 実はコミュニケーションは、心理学や脳科学などの科学的エビデンスに基づいた「正解」がありますが、海外と異なり、日本ではそのルールや方程式を教育や研修などを通じて学ぶ機会がほぼありません。