9歳で単身渡英。挑戦し続けるソレクティブ代表 岩井エリカが、フリーランスの価値にこだわる理由
道なき道を拓き、未だ見ぬ新しい価値を世に送り出す人「起業家」。未来に向かって挑むその原動力は? 仕事における哲学は…? 時代をリードする起業家へのインタビュー『仕事論。』シリーズ。 9歳で単身渡英。挑戦し続けるソレクティブ代表 岩井エリカが、フリーランスの価値にこだわる理由 今回は、フリーランスと企業をつなぐ完全審査制プラットフォーム「Sollective(ソレクティブ)」を提供する株式会社ソレクティブ共同創業者兼CEO・岩井エリカさんをインタビュー。「フリーランスの価値を証明する」というミッションに挑む理由から、組織づくりに対する考えやこれからのビジョンについて伺いました。
9歳の時に単身渡英。常に挑戦してきた
──まずは、ソレクティブを起業するに至った経緯をお聞かせください。 起業する以前はアメリカで人的資本経営や人事戦略に携わり、組織づくりやパフォーマンス設計などを行なっていました。中でもフリーランスのプロ人材を取り入れた「アジャイル型の組織形成」に魅力を感じていたのです。 アジャイル型の組織形成とは、特定の事業課題の解決に必要な知見や経験を持ったプロフリーランスを、外部から素早く採用し事業推進を図る組織づくり。採用にリードタイムをかけずに、必要な即戦力を必要なときに必要なだけ確保できるだけでなく、社内にないノウハウを外から取り込み、迅速に事業推進できるのが最大の特徴です。 アメリカで人事戦略に携わったのち、日本に戻ってきて私自身も一時期、フリーランスとして活動していたのですが、その際にアメリカとのギャップを強く感じました。 日本の企業は現状、正社員へのこだわりが強く、フリーランス人材を活用することに対して消極的な印象。しかし、今後は少子高齢化により労働力人口の減少も進み、正社員のみでの組織づくりは難しくなってくるはず。 私がアメリカで取り組んできた、正社員だけでなくプロフリーランスも取り入れたアジャイル型の組織形成を日本に持ち込めば、もっとスピード感のある採用と組織づくりができ、事業推進にもつながるのではないか? そう考えたのが起業のきっかけです。 ──どのような経緯で人事に関心を持つようになったのですか? まず、キャリアのスタートはいわゆる理系でした。 イギリスのImperial College London大学で工学部を卒業し、日本に帰国して住友電気工業に研究開発者として入社。大学では個人での研究が多かったのですが、企業に入ってチームで研究を進めるなかで、「イノベーションはチームワークが重要だ」と実感し、人事領域に関心を持つようになりました。 そこでアメリカに渡り、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)でMBA(経営学修士)を取得し、人事のプロへとキャリアチェンジしたのです。 ──理系の研究職から人事へというと、かなり大きなキャリアチェンジだったのでは? 自分の中ではごく自然なことだと思っています。元々、私の家庭はかなり大胆といいますか(笑)、変化を恐れない環境で育ってきた影響もあるかもしれません。 たとえば、母のすすめで私は9歳の時に単身渡英、全寮制の学校に入学しました。今では日本語よりも英語のほうが得意なくらいなのですが、当時はまったく英語が話せず(笑)。 そんな環境で育ってきたので、変化や挑戦することに抵抗もなければ、「だめだったらどうしよう」ともあまり考えません。超がつくほど楽観的です。 ──ソレクティブのサービスにおいても、プロフェッショナル人材の支援を通じて、ポジティブでいること、挑戦し続けることの大切さを体現されているように感じます。 会社から独立し、自分の力で挑戦したいという想いでフリーランスになる方も増えています。そんな一人で戦っている方の挑戦をサポートしたい、というのがソレクティブの大きな目標です。 それに起業家としても、ポジティブでいることはとても重要。なにかハプニングが起きた時、落ち込んで引きこもっていては機会損失になってしまいます。そういう時こそ、ポジティブになり、外に出てネットワーキングし、新しいコネクションをつくっていく必要があるのです。 何より、起業すると日々大変なことばかりですから(笑)。