名古屋の柿谷曜一朗が移籍初ゴール後に”頭ペコリ”の理由とは?
相手を零封したまま試合終了を迎えるシーンから逆算しながら、柿谷はシステムが[4-1-4-1]に変わってからは最前線にシフト。ボールを失うリスクを極力抑え、攻守の切り替えを含めたハードワークに比重を置き続けたなかで生まれた初ゴールを、あらためてこう振り返った。 「もちろんゴールを取ることも考えて途中から出場しましたけど、それ以上にチームがこれだけ好調だし、僕が出るまでも前線で(前田)直輝や(齋藤)学があれだけハードワークしてくれていたので、僕もしっかりと闘って相手をシャットアウトしよう、と。そうしたなかでのゴールだったので、自分のなかではちょっとびっくりしたというか。でも、ホッとした部分もありますけど」 消化試合数がひとつ多い川崎は、11日に行われたFC東京との「多摩川クラシコ」を4-2で制し、2位・名古屋との勝ち点差を「5」に広げて首位をキープした。そして、ACLが絡んだ変則日程で、川崎とはゴールデンウイーク中の今月29日にホームで、5月4日には敵地での連戦が組まれている。 今シーズンの覇権の行方を左右しかねない連戦が迫ってきたなかで、堅守へさらに磨きをかけてきた名古屋のなかで、攻撃に厚みを加えてほしいと期待を託された31歳に待望の初ゴールが生まれた。 「もっと、もっとチームを助けられると思っているので、本当にこれを続けていくことですね」 小学生年代のジュニアから所属してきたセレッソと、完全移籍という形で決別してから3ヵ月とちょっと。重圧から解放された安堵感に浸ったのも一瞬だけ。柿谷はすでに視線を前へと向けている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)