「出世したくない」若手社員の意識を変えた読書術とは 2025年は“たった1冊の本”でなりたい自分になる
マネジメント力を上げてチームで成果を出したい。そういった課題を抱えているとき、解決のヒントを求めてビジネス書を手に取る人は多いはず。 ただ、実は本を読むのが苦手だったり、読んでも思うような効果につながらなかったりしたことはないでしょうか。 新刊『今度こそなりたい自分になる! 1冊まるごと「完コピ」読書術』でユニークな読書法を提唱するSoZo代表取締役のあつみゆりかさんも、かつて読書下手だった一人。うまく本が読めないからこそ、本を血肉に変える方法を試行錯誤したと言います。 読書に苦手意識がある人に向けたアドバイスを聞きました。
【あつみゆりか YURIKA ATSUMI】 SoZo株式会社 代表取締役 1976年、米国ボストン生まれ。マイナビウエディング元編集長。 人の学びを科学するSoZo株式会社代表取締役。 3児の母として子育てとキャリアの両立で悩んだ自身の経験から、起業後は社会人の学びの機会を提供する事業を手がける。 ブライダル業界ではWEBマーケティング第一人者として各業界紙の連載や講演を行なうなど、指導した経営層と担当者はのべ7,000人を超える。
「できそうなところからやる」は成長幅が小さい
自分が抱えている課題の解決策を求めて、本を読む。その際に陥りがちな失敗の原因が「つまみ食い」にあるとあつみさんは指摘します。 あつみ「料理で例えると、同じハンバーグでも、焼くのと煮込むのとではハンバーグ自体のレシピも違うと思うんです。そこを理解できていないのに、双方のレシピからかいつまんで自己流でやるからうまくいかない。 読書も同じで、一つの流派を最初から最後までやり抜くことがとても重要だと思います」
本の中から自分にとって都合の良い箇所だけを読み込んだり、SNSで見聞きした著名人のやり方を試してみたり。そうやってとっつきやすいところだけ取り入れようとすることは「表面的なコピーに過ぎない」と続けます。 あつみ「そうやってつまみ食いしたものって、実は多くの場合、すでに自分ができていることなんですよ。だから『やれそうなところからやってみよう』は成長幅が小さい。 かつての私はその典型だったので、『だから成長できないんだよ』って当時の自分に伝えたいですね」 本当にやるべきことは「読んでいて苦しいところ=やりたくないこと」。 あつみさんが最初に「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(以下、もしドラ)を完コピし、売り上げ3倍、目標200%達成という成果を実現できたのも、「書かれていたマネジメント法が自分のやり方と真逆だったから」と振り返ります。 あつみ「本の内容をちょっとずつつまんだとしても、すぐ元のやり方に戻っちゃうだろうなと思ったから、自分の思考の癖を全部洗い直すつもりで1冊を徹底的にまねしたんです。自分のやり方や考え方から遠い本ほど、1冊を完コピすることが重要だと思いますね」