あなたが痩せない本当の理由「お酒は飲むけどあまり食べない。なのに一向に痩せないんですけど?」【40代・50代のダイエット悩みに管理栄養士・麻生れいみがズバリ解答! ⑥】
食事報告をしてもらうと、夜は1週間に何度もお酒を飲みに行っていました。そして、びっくりするほどおつまみを食べていない。食べているとしてもお通しだけとか、乾き物とか、太らなさそうなこんにゃくとか。 これでは、必要な栄養がとれない。痩せないのは当然です」
飲んだあとに締めのラーメンやアイスクリームが食べたくなる理由
そして、お酒とダイエットに関しては血糖値の問題も大きいと麻生さんはいう。 「意外に知られていないけど、アルコール自体は血糖値をほとんど上昇させません。それどころか、血糖値を下げることもあるほどです。醸造酒のビールやワインは、けっこう糖質が高めですが、それでも血糖値はあまり上がらない。血糖値を24時間モニタリングし続けてくれる機器(FreeStyleリブレなど)をつけたことがある人ならわかると思いますが、お酒と一緒に糖質の高い甘い物や炭水化物を食べても、単独で食べたときより血糖値が上がらないの! 最初は私もびっくりしました。これには肝臓の働きが関係しています。肝臓は体内に入った毒物を分解する解毒作用で知られていますが、食べ物からとった糖を貯蔵しておき、必要なときに使えるように血液へも送り出します。お酒を飲むと、肝臓は『毒』であるアルコールを優先的に分解するので、その間は糖を出さなくなり、血液中に糖が少なくなるんです。 そして、そのままアルコールを飲み続けていると、血糖値は下がり続けます。お酒を飲んだあとは、いわゆる血糖値が異常に低い『低血糖』の状態になるんですよ。そのまま寝たら、寝ている間に低血糖状態が続き、睡眠の妨げになる。 逆に、お酒を飲んで低血糖のまま起きていると、体は危機を感じて血糖値を上げようと『糖』を欲する。お酒の後にラーメンやお茶漬けなどの炭水化物、はたまた甘いものを食べたくなるのは、そのせいなのよ! 酔っ払って記憶をなくしてるのに、深夜に何か作って食べていたとか、ごみ箱に記憶のないアイスの袋の山があった…なんてことがあるのもそれよね。先の彼女の場合も、お酒を飲みすぎたときほど締めに何か食べてしまうことがありました。 それがカップ焼きそばだったり(キムチまでつけちゃって)、ケーキだったり、フルーツだったり…、あからさまに糖質が高いもの。そして、お酒の解毒に一生懸命な肝臓さんは、炭水化物(糖質)を食べてもまだ気がつかなくて、低血糖のまま。 ところが、時間がたってアルコールの分解がある程度落ち着いてきた頃、寝ている間に血糖値がどーんと上がっちゃう。血糖値が上がれば、今度は血糖値を下げようとして『インスリン』がドバドバ出て、血糖値を下げてくれるわけです。 この血糖値の乱高下も健康にはまったくよくないんだけど…、それよりダイエットの観点から言えば、インスリンは極力出したくないもの。インスリンは血液中の余った糖を体脂肪として蓄えてしまう働きがあり、『肥満ホルモン』とも呼ばれているくらい。 インスリンをなるべく一気に出さないようにするには、血糖値を急に上げたり下げたりしないこと。低血糖を起こさせるお酒も飲みすぎたら太るということよ!」
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