1日1切で突然死のリスクが減る食べ物って?100年長生きする予防医学のススメ
いくつになっても若くて元気な人、そうでない人の違いはどこにあるのでしょうか?病気を遠ざけ、人生の質を底上げしてくれるのは、小さな健康習慣の積み重ねです。そこで今回は、予防医学のスペシャリストである医師・森勇磨氏による著書『予防医学で健康不安は消せる! 100年長生き』(ワニブックス)から、突然死を防ぐ食事のヒントを少しだけお届けします。 ◇ ◇ ◇
1日1切れの魚が死亡リスクを下げる!突然死を防ぐ食習慣
なんとなくだるい、やる気が出ないなど、だんだん無理がきかなくなって老いへのリアリティが増すのが、50歳前後ではないでしょうか。生活習慣病の存在をますます無視できなくなるのも、50代です。 だからこそ、50歳からは食習慣を変えてほしい。そうした思いで書いたのが、手前味噌ですが『50歳からの病気にならない最強の食生活』です。 たとえば、中性脂肪やコレステロールの代謝が悪くなる「脂質異常症」は、女性は更年期頃から、男性は30代あたりからどっと増えます。といっても、コレステロールも中性脂肪も本来は体にとって必須なものです。 ただ、肝臓でつくられたコレステロールは「LDL」に乗って全身に運ばれ、これが多すぎると血管の壁にたまり、動脈硬化を進めてしまう。そこで、たまったLDLを血管の壁から回収してくれるのが「HDL」です。そのため、LDLは悪玉、HDLは善玉と言われるのです。 そして、女性の場合、女性ホルモンの関係で更年期の頃からLDLコレステロール値が上がりやすいことがわかっています。 ”女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が低下すると、LDLの数値が上がりやすくなることがわかっています。そのため、40代までと同じや生活をしていても、LDLの数値は徐々に悪化してしまいます。『50歳からの病気にならない最強の食生活』より” ということで、50代になったら(くどいようですが早いに越したことはありません)、食生活をちょっと変えてほしいのです。 UCLA准教授の津川友介さんは、病気のリスクを下げる健康習慣をまとめた『ヘルス・ルールズ』の「食事」の章で、「何を食べ、何を食べるべきではないか」を端的に紹介しています。引用させてもらいましょう。 ”ずばり、数多くの信頼できる研究によって健康に悪いと考えられている食品は、【1】赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない)と加工肉(ハムやソーセージなど)、【2】白い炭水化物、【3】バターなどの飽和脂肪酸の3つである。 逆に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と考えられている食品は、、【1】魚【2】野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)、【3】茶色い炭水化物、【4】オリーブオイル、【5】ナッツ類の5つである。『HEALTH RULES ヘルス・ルールズ 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣』より” なかでも「健康に良い食べ物の筆頭」に挙げている魚については、67万人のデータから導き出された研究結果として、魚の摂取量の多い人ほど死亡リスクが低く、1日60gの魚を食べていた人は全く食べていない人に比べて12%死亡率が低かったことを紹介しています。